不安、はよくある精神症状です。
普通に生きてても多少はあるし、ネガティブな人だったらベース不安で生きてるかもしれない。
でも、ある程度のコントロールはできているものです。
でも、病気の症状の不安は、コントロールが出来ません。
不安すぎて落ち着かずにうろうろ。
ナースステーションに来ては、不安なことに対して確認。
でも、すぐにまた同じことに気になって、同じ事を繰り返す(確認行為)
ナースコールで看護師を呼び、震える手で看護師をつかんで離さない。
看護師が退室するとまたナースコール。
パニックのようになってしまう人もいます。
正直、私も自分が患者体験をするまでは、誘因の無い不安、コントロールできない不安、の理解が出来ていませんでした。
自分が体験したとき、他者がそばにいてくれる安心感、自分一人でいることの不安に気がつきました。
もちろん、病状が悪いときは抗不安薬と呼ばれる種類のお薬を頓服薬で使用することは必要です。
私達は1人の患者さん専属ではないし、隣で添い寝することなど不可能です。
仮に、ずっと隣に居ることが出来ても、簡単には落ち着くわけではなく、誰より患者さん本人がキツイ時間が長くなってしまうだけだからです。
でも、そのお薬を飲んで少し落ち着くまでは側にいて、手を握ってあげれる、というのが理想だなあと感じています。
総合病院の精神科では、処置の多い患者さんや、身体的に重症な患者さんも多くいるので、精神科的重症の患者さんに思うように時間を裂けない現状にフラストレーションを抱えています。
そんな時、ふと頭をよぎるのは昔、上の方の医師に、ふと尋ねた「精神科的重症ってどういうことだと思いますか」と聞いたときの返答です。
「いつ死ぬかわからない患者さんかな」
その先生はそう言いました。
これは身体科とは少し意味合いが違いますよね。
それを聞いた後、私も色々な経験をしました。
せめて、可笑しいな、調子悪いな、と思えるくらいに患者さんと話が出来る時間が持てればなあと心から思う毎日です。