ニュースや新聞などで非人道的だと扱われることの多い、隔離と拘束。
みなさんはどのようなイメージをお持ちですか?
文字通り隔離は鍵のかかるお部屋に入っていただくこと(お部屋のなかに持ち込める物品は病状によります)
拘束は体を固定することです(固定する箇所は症状によります)
これらは、精神保健指定医の診察のもと、必要だと判断された患者さんにのみ適応されます。
ここが、一般病棟で実施されている身体抑制とは違う所です。
では、必要なときとはどんなときでしょうか。
ざっくりと説明します。
必要なときのひとつは、精神運動興奮状態である時です。
幻覚・妄想に左右され暴れたりされる患者さんなどがこれに当たります。
例えばこういった患者さんは妄想に左右され、他の患者さんに影響を与えてしまったり、一見不可解な行動をとることがあります。
このような状況は刺激で増悪することが多いため、刺激を減らすという意味で隔離が適応されることが多い印象です。
その他の要因としては自傷・他害の恐れが著しい患者さんです。
先述の妄想に左右され暴れてしまう患者さんだけではなく、うつ病などで死にたい気持ちが切迫している患者さんもこれに当たります。
場合によりますが、興奮状態の患者さんは拘束が適応されている印象が強いです。
死にたい気持ちが強い方も、身の安全を守るために隔離や拘束が適応となります。
これらは永続的に行われるものではありません。
が、急にすべてフリーに出来るわけでもありません。
少しずつ解除の時間を増やしていきながら症状に変化がないか確認しながら行っていきます。
治療のために行う処遇ですが、もちろん、治療に悪影響があることもあります。
主なものに拘禁反応と呼ばれるものがあります。
閉じ込められたことにより、生じてしまう精神症状です。
私達は生じている精神症状が何によるものなのか、症状の変化に注意しながら観察をしていかないといけないのです。
前提に戻りますが、これらはすべて精神保健指定医の指示のもとに、私達看護師やその他スタッフが行っていくものです。
判断は精神保健指定医ですが、私達スタッフが日々の様子や変わったこと、処遇に対する疑問など指定医と会話が出来ることが精神科治療の透明性に繋がると思っています。