Dialog in the dark | with or without

with or without

退屈な日常の記録

ダイアログ・イン・ザ・ダークってご存知ですか?


完全に光を遮断した空間の中へ、何人かとグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験するというエンターテイメントです。



要するにビルの一角にさまざまなセットが組んであるのですが

そこが光がまったくない暗闇なんです。

そこを何人かで探検していくといったエンターテイメント。



この間とっても評判がいいから

と誘われて行ってきました。



早速入ってみると。

…真っ暗闇ってほんとに何も見えないんです。

前に進むのもすごく怖い。

何人かで暗闇の中に入って行くんですが、

一人だったらどんなに心細いだろう。。。



まずは公園があります。





自由に遊んでみてください。






…そう言われても、どこに何があるかわからない。



でも、よく耳を澄ますと水が流れる音がします。

そっちに向かって行ってみる。


そうすると、小さい湧水がありました。

そっと手を伸ばしてみると間違いなく水の感覚。




しばらくすると仲間の一人がブランコを発見しました。

手を引いてそちらに案内してもらうと背もたれまでしっかりついたブランコがあって

暗闇でこぐブランコはなんだかスリリング。








また歩いて行くと今度は案内人の家に着きます。


縁側を探して座ってくつを脱いで上がって。。。


それだけでもすごく大変。

這うようにして家の中を捜すと

ラジオがあったり、引き出しがあったり、押入れがあったり、本棚があったり。

真ん中のちゃぶ台には野菜があるようです。




触った感触や、匂いでそれが何だかはっきりわかります。

ごつごつしてて、少し土の匂い。

じゃがいも。


大きくて、かたくて、ふんわりかおる

これはかぼちゃ。


長くて、しんなり柔らかくて、先端には葉っぱがあって

大根です。


視覚以外の感覚も人間にはしっかり備わっているんですね。







庭に進むと、ベンチがあって

パチパチ音がする真ん中に手を伸ばすと

あったかいたき火があります。




庭には松ぼっくりやイガグリがあって。

ちくちく手に刺さる感覚が間違いなくイガグリ。

普段目で見て痛そうだから触らないもの。

久しぶりに味わう感覚でした。




そんな感じで締めは真っ暗やみのバー。

はじめてあんなに何も見えないところでビール飲みましたよ。

スーパードライ、かな???

って大事なのはそこじゃなくて。

びっくりしたのはアテンダントがグラスにビールをぴったり注げるところ。


思わずきいてしまいました。

なんでいっぱいになったのがわかるの?って。


音???


違うそうです。

重みなんだって。


空のグラスの重さを確かめておけば

いっぱいになったグラスの重みで量がわかるのだとか。

感心してしまいます。





結局、あたしたちは日々視覚に頼り過ぎているみたいで。


いざ、見えなくなると、他の感覚がやっと目覚めてくるのです。

特に匂いと、音は。

すごく大事な感覚なのに忘れているみたい。


見えないからこそ、見えるものがある

という。


そのキャッチフレーズに妙に納得して帰りました。




そうそう。

一つびっくりしたことがあって。

点字って、視覚障害者の1割程度しか読むことができないって知っていましたか?

先天的に目が見えない方は小さい頃に勉強して読めるようになる方が多いそうなのですが、

後天的に目が見えなくなってしまった人は

とても身につけるのが難しいのだそうです。


大人の英会話、子供の英会話と同じですね。