おはようございます
内藤です

 

第134回のテーマは
「無功徳(むくどく)」

 

これも禅の言葉
元はあの有名なダルマさん
達磨禅師が説いた教え

 

自分の成したこと
それがいかに善行であれ
功徳を求めない
見返りを求めてはいけない
ということ

 

見返りを求めた時点で
いやらしい雰囲気を身に纏って
人が遠ざかる
人から信用を得ることも出来ない


まあ、それはそう
何となく分かる気はします

 

でも難しいですよね


ついつい見返りを求めてしまう

 

何か高価な物を期待しなくとも
自分がこれだけしたのだから
せめて「ありがとう」の感謝の一言でも

 

これもまた見返りを期待しているのと同じ

 

ただ自分の成すべきことをする


やはり難しいですね

 

 

でもね

我々日本人がこの見返りを求めない行為
無功徳を実践していることがあります

 

それが


お・も・て・な・し

 

おもてなし

です

 

我々日本人が持つ非常に美しい心
その美学

 

おもてなし

 

それはサービスではない

 

お店でおしぼりを出すのは
「サービス」です

 

おしぼりを渡すタイミングを見計らい
「本日もありがとうございます どうぞ」
と言う言葉を添える


これは「おもてなし」です

 

サービスは見返りを求めます


サービス料もありますし
海外ではチップもありますね

 

日本のおもてなしは見返りを求めません

 

真心
目の前の人が気持ち良く過ごせるように
心配りをする
自分の心を与えるのです

 

我々日本人が誇るべき
そして謙虚に受け継ぐべき
大切な品格、国民性です

 


さて
先週末から今週にかけて
国賓
国が招いたお客様が日本に来られていました

 

アメリカ合衆国大統領
ドナルド・トランプですね

 

国賓です

当然、最大限のおもてなしをして然るべきです

 

国が、国民が
みんなで真心を持っておもてなしをする

 

国民全員というのは物理的に出来ないので
国民の代表の安倍首相
そして
国民を象徴する天皇皇后両陛下
によって素晴らしいおもてなしをされていました

 

トランプ氏も終始リラックスした感じ


また両陛下のおもてなしに際しては
時折、恐縮し、心から感謝しているようにも見受けられました

 

本当に素晴らしい


このニュースに触れるたび
日本人としての尊厳をも抱くような感覚になりました


でもね
本当にびっくりしたのですが
このおもてなしについて
批判をする方が結構いたんです

 

テレビのコメンテーター
野党の政治家

 

アメリカに譲歩ばかりして
何なんだあのザマは
トランプを喜ばせようと必死になって
恥ずかしくないのか

 

おもてなしをすることはいいとして
そんなことをしても意味はあるのか
何も返ってこないだろう

 

なーんてことをね


いい大人が
無功徳の精神を持っているはずの
私たちと同じ日本人がね

公に声を大にして言っているんです

 

信じられません

 

いや、確かにね
トランプ氏をもてなすことが
外交の成果に繋がるかと言ったら疑問ですよ

 

でも
それとこれとは全く話が別です

 

今回トランプ氏が来日したのは
国賓としてです

 

いえ、例え国賓としてではなくとも
一国のトップが過密なスケジュールの中
わざわざ来日してくれているんです

 

おもてなしをするのが日本人としての器量でしょう

 

何の見返りなど求めましょう

 

ただわざわざ来てくれた人に対して
自然とね
おもてなしをする


せっかく来てくれたこの人を笑顔にしたい

そう思うのが日本人の心でしょう

 


おもてなしに何の意味があるんだ!!

 

何の意味もありません

 

無功徳です

 


でもね
それが結果として
より良い人間関係
社会との関係を築いていく

そういうものなんです

 


無功徳

 

おもてなしの精神として
日本人に脈々と受け継がれています

 

この美学を
誇るべきこの品格を
今一度感じてみるべきではないでしょうか

 


今日はおもてなし
目の前の人が楽しく、気持ち良くなるように
自分の心を使いましょう
一つ手を差し伸べる
一言かける
見返りなど求めない行いを実践してみましょう!