だいぶ前に、お義姉さんから誕生日のプレゼントをもらった。某コーヒー店で使えるクーポン券を某連絡ツールを経由して頂いた。(某にする必要があるのかは謎)

コーヒーは苦手な上に、お洒落スポットはもっと苦手なので、クーポン券をだいぶ寝かせていた。

期日を見たら、8月いっぱいで終了とのことで、慌てて某コーヒー店に行くことにした。


いきなりお洒落スポットに行ってしまうと、まごまごしてしまうから、事前にメニューを確認しておいた。頂いた金額の限度額の範囲内で自分が飲める、ほうじ茶ティーラテのホットの一番大きいサイズを選んだ。こういう時に性分が出てしまうなぁ、と思った。


仕事帰り、スマホを握りしめ某コーヒー店に寄った。ぎこちなくお店に入る前、脳裏にこのコーヒー店のカップを頻繁持参する同僚が頭をよぎった。あの人の日常にはこのコーヒー店が当たり前に存在しているのだろうな、私には非日常だよ。


レジに並び、カウンターでメニューを見せてもらった。悩むふりをしたけどメニューは一択だ。

「ほうじ茶ティーラテのホットをください。サイズは、えーと。」

常連でもないのに、慣れた風に言うのが途端に恥ずかしくなり

「一番大きいので。」

と伝えた。

ひょっとしたら、その言い方の方が恥ずかしいのかもしれないけど、私は明察ともにおばさんだし、と自分に言い聞かせた。


受け取り場に移動して、そわそわしながら飲み物を受け取った。場慣れしていない私に、店員さんは最後まで親切だった。

そそくさと車に戻り、こぼさないように慎重に運転しながら家に帰った。


コップに少し開けてひとくち飲んだ。まだ温かくほのかに甘くて、とても美味しかった。

塾から帰ってきた息子にも分けてあげた。

「これ、美味しいよね。」

と、さも昔から知っている風に言ったけど、本当は初めて飲んだのだよ。