由依side

高校に入学して早一ヶ月が経とうとしている。お昼の時間は中庭のベンチに座って食べることが日課になりつつある日、

由「誰だろう...」

ベンチの側でぐったり倒れている女子生徒が。上履きを見ると色が違う。二年生だ。

由「だ、大丈夫ですか?」

 『...』

どうしよう、とりあえず呼吸の確認で近づいた。

よかった。ちゃんと息はしてる。
それにしても綺麗な顔立ちだな。

由「あの〜?」
 「聞こえますか?」

 『..おなか、』

由「おなか、?」

 『お腹空いた』

由「あっ、」

お腹が空いてぐったりしてたのか。私は今から食べようとしているお弁当を半分だけ分けてあげようとしたが...






 『ありがとう。助かった』

由「いえいえ。ではお気をつけて」

私は教室に戻った。


由「あーー」

A「どうしたのー?」

由「さっきね...」

A「えー大変だったね」

由「Aちゃんご飯余ってないー?」

A「ありません!」

由「ああ〜」
 「半分だけあげるつもりだったのに全部食べられちゃったよ」

A「そんなにぐったりしてたんだ」

由「あの時私しかその場にいなかったから」

A「ご苦労様です笑」

放課後


A「由依帰ろ〜」

由「うん!」

教室を出ようとした時、ドアに

 『やっと見つけた』

A「え!渡邉理佐先輩だ!」

教室中も騒ついている。渡邉理佐先輩?

 『ねえ、ちょっとあっちで話そ』

由「わ、私ですか?」

教室中、いや、廊下からの皆んなの視線が私に向く。

 『うん』

腕を引っ張られそのまま連れてかれた。

A「行ってらっしゃい〜ニヤニヤ」





由「え、あのすいません。何の用でしょうか」

理「昼にお弁当くれてありがとう」

由「あっ、あの時の」
 「もう元気になりましたか?」

理「おかげさまで」

由「よかったです。ではこれで失礼します」

理「待って」
 「名前とLINE交換しよ」

由「名前は小林由依って言います」

理「由依」

由「そ、そんないきなり名前で...」

理「慣れてないの?」
 「可愛いね」

由「ち、違いますから!」

理「私は渡邉理佐」
 「あとさ、お願いっていうか」

由「はい」

理「毎日とは言わないから、お弁当作って欲しいな」

由「ええ」

私とお弁当食べてたら周りからの視線が...どうやら先輩は人気っぽいし。

理「考えといて。LINEで返事してくれていいから」
 「じゃ、楽しみにしてるよ」

先輩は帰っていった。

由「どうしよう...」



続く
_______________
お読みいただきありがとうございます。

インスタ りさぽん書いてます→


X→小説等のお知らせ更新してます