敢えて「IoTの一番大事なところを忘れていませんか?」と問わせて頂きます。
IoTはInternet of Thingsの頭文字略です。しかし最近の5GやIoTやGNSSとAIやビッグデータの議論を読んだり聞いたりしますと、IoTとNoT(Network of Things)とをごちゃまぜにしているように思います。

すべてのモノをネットでつなぐ、NoT技術を結集するんだという勝負表現している場合が増えて来ています。90年代に日本が苦労したインターネットの話は触れたくないと意識的にしているようにも思います。

すべてをネットでつなぐ一番簡単な仕組みはスター型の接続・結集です。スター型の接続の破綻が起きたからこそ、90年代に苦労してインターネットIP接続の仕組みが大発展したのです。

そこではレイヤ・階層化が必須であり、特にレイヤ2やレイヤ3という部分が物理層である膨大なレイヤ1のデバイス群をさばく仕組みに磨きがかけられて、パソコンからスマホまで何十億というデバイスが間違いなく機能するLinuxカーネルのネットワークの現世紀、21世紀に相成ったわけです。

しかし特に日本での議論の中では5GやIoTやGNSSと自動運転やAIやビッグデータの議論がレイヤ的に整理されずに技術結集という言葉で、ごちゃまぜにされてきている傾向が強まっていると思います。

GNSSと5GとIoTとAIを載せることが自動運転にとって必須だとして膨大な実験やデモがなされていますが、あたかもスター型に凝集して、当面の実験目標を乗り切れば良いという状況が現れているように思われます。

IoTはインターネットのレイヤ構造を基本にした仕組みであり、GNSS受信部は物理層レイヤ1であり、5Gは主にレイヤ2とレイヤ3の任務を持つものです。AIなどはレイヤ5以上のアプリケーション層での概念です。これらを技術凝集と表現して直接結びつけるかのようなスター型のブロック図がしばしば見受けられます。

これらのマルチレイヤ技術を階層化などという煩わしいこと抜きで結びつけたいときには、スマホ技術で発展してきたSoCというLinuxカーネルを活用したマルチレイヤノードの仕組みが必須なのです。

残念ながら日本企業でSoCをノードとして実現できる企業は少なくなっており、米国系と中国・韓国の企業に頼らざるをえないところに来ています。

端的にいえばスマホという手のひらデバイスが、IoTというマルチレイヤネットワークをさばけるのは、SoCというLinuxカーネルをフル活用できる局所マルチレイヤさばきのノードとしての仕組みと4Gから5Gの仕組みが発展してきたからなのです。

本ブログがスマホにこだわっているのは、日本企業がこうしたマルチレイヤさばきの要点を無視して、技術凝集と称して一足飛びにスター型寄せ集めで先を急いでいるように見えることに危機感を覚えるからでもあります。

このあたりをしっかり学ぶにはタネンバウムのコンピュータネットワークの教科書などを熟読するしかありません。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-%E7%AC%AC5%E7%89%88-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%A0-ebook/dp/B076HJDZHQ/ref=dp_kinw_strp_1

日本のIoT人材育成では、このテキストにあるようなマルチレイヤ・ノードをさばく数学的・理論的部分の教育・学習がすっぽりと抜け落ちているように思います。

現在、Googleが苦闘しながらも実時間マルチレイヤ自動運転技術を次第に高度化し得ているのは、GoogleはそのIoTマルチレイヤ技術の正道・王道を歩みながら各レイヤごとの標準化へ向けて、多次元的に格闘・前進しているからなのです。

以上、あえてIoTとNoTを混線しないでと苦言を呈しておきましょう。