化け地蔵   結城市 | 湖南のフォトライダー

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化け地蔵の民話のある 結城市 引経寺へ行ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化け地蔵  

 

 

 

 

 

 

              大切に保存されていました。

 

 

 

 

 

 

むかしがたり/日本の民話・昔話・伝説・伝承

 

 

 

むかしむかし、雨の降る夜、町の豆腐屋にひとりの男がやってきて戸をドンドンと叩きました。
「夜遅くにすまんが、豆腐を一丁売ってくれんか」
そう言うと、男は一本の酒とっくりを差し出して、こう続けたのです。
「このとっくりに豆腐を入れてくれんか」

豆腐屋の主人は笑いながら
「とっくりには豆腐は入らんよ」
と断りましたが、男はそれでも食いさがり、
「いいから、とっくりに入れておくれ」
としつこく頼むのでした。

仕方ないなあと、主人は豆腐をとっくりの口に持って行けば、なんとまあ、豆腐がするっととっくりに滑り込むではないですか。

びっくり驚いた主人。
「不思議なこともあるもんだ。この男は一体何者だろう。ちょっと後をつけてみるか」
そう決めると、主人は店を出て行った男の後ろを、そおっと気付かれないように付いて行きました。
しばらく歩いた男は、寺の境内に入っていきます。

しかし、寺の地蔵さんのところまで来たところで、主人は男を見失ってしまいました。
「…あらら。どこへ消えてしまったんだろう」

酒とっくり

次の日の夜のことです。
今度は町の酒屋でもおかしなことが起きました。
やはり夜更けに訪ねてきた男が、今度はざるを差し出して
「このざるに酒を入れておくれ」

そして同じように酒屋の主人も
「ざるに酒を入れても全部こぼれ落ちてしまうじゃないか」
と言い返したものの、しつこく頼まれたので、酒をざるに注ぎました。
すると、酒はざるから一滴もこぼれ落ちることなく、きっちりざるに入ったのです。

そのあと酒屋の主人も豆腐屋の主人がしたように、店を出た男の後をついて行きました。けれども、どうしたことかやっぱり寺の地蔵さんのあたりで姿を見失ってしまったのです。

朝になり、気がかりな酒屋の主人は、もう一度地蔵さんのあたりへ行ってみました。
ふと地蔵さんの顔を見てみたところ、地蔵さんの口の周りには、豆腐の食べかすが。
「地蔵さんが豆腐を食べなさるか。こりゃびっくりだ。だとしたら、昨日の酒を買いに来た男も地蔵さんだったんじゃろう」

それ以降、この地蔵さんは「化け地蔵」と呼ばれるようになったそうな。

 

 

昔話と民話 むかしがたり 茨城県   化け地蔵から引用しました。