多分1992年だと思うんですけど

 

出来たばっかりの明智ヒルトップサーキットで、モトチャンプ誌が主催した「ショップ対抗S50クラス時間(忘れた)耐久レース」に、 I Power Racingから修太朗選手と組んで出走した事があるんすよ。 

 

そのレースは終始ウェットコンディションだったんですけど、恐らくノーマークだった I Power Racingがひしめく強豪ショップを抑え、岸田・大木コンビのウインドジャマーズに次ぐ2位に! 

 

全国を席捲していた秋ヶ瀬・新東京のエキスパートライダー達は、μの低い路面で鍛えられた独特なライディングスタイルで、他のサーキットのレースに参戦してもあっさり上位入賞する実力者ばかりでしたけど、意外にもウェットで膝を擦る走りができないらしく、別人の様に元気がありません。

 

当時その2つのサーキットの白いツルツル路面は、ウエットになるとマジで濡れた鉄板レベルのグリップだったから、膝を擦って走る練習はできなかったと思います。

 

それに対して我らがハルナライダーは、市販タイヤでウェットのムリ膝が伝統として定着していて、雨に対する苦手意識が少なかったんです。 

 

2位になったのには自分たちもビックリ!みたいな感じだったんですけど、この時RS125フレームのS50マシンをレインタイヤで走らせたのが、自分の唯一のレーシングレインタイヤの経験でした。 

 

 

 

時は流れて2020年

 

 

ノブアツ杯最終戦見て衝動買いしたGSX-R125で、20数年振りにバイク乗るようになったんです。

 

ちょっと経ってハルナにも通い始めました。

 

初めてスパコルを履き、朝早く真冬のハルナ一日練習に行った時の事。

 

夜降った雨で路面が濡れてたんすね。

 

真冬の朝のウェットなんて誰も走らないじゃないすか。その日ハルナに来てたライダーは全員様子見の構えだったんです。

 

でもそんな中、一人だけ空気が読めない男がいました。

 

イクムラトシオです。

 

バイクも慣らしが終わり、初めてスパコルを履いてヤル気全開、イキりまくってた自分は乾くまで待てません。

 

皮ムキもまだの新品スパコルで、無謀にも真冬の朝の濡れたコースにひとりイキり散らかして出て行ったのです。

 

 

~どんなもんじゃい!これが漢の生き様じゃ!~

 

 

 

ハエが止まりそうな速度でコーナリングするも、2周目であえなく転倒

 

 

 

・・・・・・・・・あれ?

 

うそ!マスターシリンダー割れてるやん! 

 

 

起こしたマシンにブレーキレバーが無くて、コース上に落ちてるんすよ!

しかもマスターシリンダーのレバーホルダーからポッキリ。

 

 

直せないので帰宅しますた・・・

 

 

~それから8か月~

 

 

リターンしてから2度目のレース、ノブアツ杯2021年第2戦。

 

この日は予報通り朝から雨。

 

スパコルで濡れた路面を走って懲りた自分は、雨のレースに向けレインタイヤを導入したんです。

 

しかし、ぶっつけ本番で30年ぶりに履く新品レインタイヤに不安はMAX。

 

他のレインタイヤ装着車ライダーに「皮ムキどーすんの空気圧は?」と聞きまくり。 

 

少しでも感触を掴もうと、公式練習直前にピット前で8の字走行したら、バランス崩してあわや転倒!地球キックでギリ回避!

 

これですっかりメンタルがやられてしまったんですね。

 

練習走行のタイムは56秒台がやっと。 

 

今日のために買った新品レインタイヤなのに、妙に切れ込むフロントタイヤと接地感を感じられないリヤタイヤに半端ない違和感・・・

 

このままだと、SS125Aのライダーでただひとりレインタイヤを履いてるのに、

 

 

それなのに & そのくせに 最下位爆走

 

 

そんな悪夢のようなシナリオが頭をよぎります。

 

 何とかならないかな~と、クラスは違うけど同じタイヤで53秒台を出していたヤマザキテツヤ選手に走り方を聞いたんすね、そしたら

 

 

ムリ膝だよ!

 

 

って言うじゃありませんか

 

そこで予選は大昔を思い出して、ムリ膝マモラ乗り!で走ってみたんです。 

 

すると!

 

 あら不思議!

 

膝が届いたとたん、切れていた脳内シナプスが繋がったのか昔の感触が戻ってきた!急にフロントの切れ込みも気にならなくなり、接地感も感じられるようになって、予選のベストラップは52秒211に。 

 

 

 

~そして迎えた決勝~

 

 

 

決勝の時間は日が傾いているのに加え、黒い雨雲が空を覆い辺りは暗くなってました。

 

コースインしてからスモークシールドでは暗すぎる事に気付きましたが時すでに遅し。 

 

レースがスタートすると今度はシールドが曇り始め、雨も激しくて視界は最悪。

 

最初は前を走るナカムラ兄の背中だけ見て走ってましたが、抜いた後は単独走行になり縁石がかろうじて見えるレベル。 

 

背後から聞こえるナカムラ兄の2サイクルエンジン音の恐怖と闘いながらカンだけで走ってたんです。 

 

1コーナーでは毎周イン側の膝が引っかかる感じがあって、バンクセンサーが外れたのかと思ってたんすね。

 

後で判ったんですけど、1コーナーのイン側が池みたいになってて、水の抵抗だったんです。

 

後でビデオ見たら、スゴイ水しぶきを上げて水たまりに突っ込んでいく自分にビックリ!

 

見えないって最強! あれで転ばないんだから今のレインタイヤの性能は神!

 

ちなみにレース後、メインスイッチをオフにしても電源が切れなくなってました笑。

 

決勝ではさらに51秒244までタイムを詰めることが出来ましたが、まだまだペース上げられる感じ。もうちょっと練習時間が欲しかったな〜 

 

レースはオープンクラスとの混走だから自分がSS125Aで優勝したって実感なんて全然無いけど、優勝賞品にBT39SS貰えたのは超うれP

 

あ~早く雨の中練習したい笑 

 

2021年ノブアツ杯第2戦 8月15日

https://youtu.be/sP8MccdMicA

 

レインマスターになりたくて 2021年9月4日 

https://youtu.be/G30mPnfAIQE