先週の朝ドラ「虎に翼」は、

もう胸が掻きむしられるような悲しい出来事ばかり。




寅ちゃんは…

新婚の夫が戦地で病死した知らせを

直接受け取れなかった。


代わりに受け取った父親が隠していて、

死にゆく中での諸々の懺悔と

いっしょくたにされて、

泣くタイミングを失ってしまった。




兄が死に、夫が死に、父が死に

責任感の強い寅ちゃんは

生活してゆかねばならない中で

感情につっかえ棒をして踏ん張っていて…


泣くに泣けない姿を見ているだけで

私はとても辛かった。





悲しむことが出来ない状況は

危機的状況。


私にも覚えがある。





心が干からびて、おまけに太陽も出て来ない。

うすら寒い風だけが、

びゅーびゅー吹いている。


草一本すら生えてない薄暗い荒野を

ひとりで彷徨っている。



そんな心象風景。

本当に私にも覚えがあるのです。




そこに、温かなお湯がたゆとう

温泉が湧き出るような

優三さんの幻があらわれて



流れる音楽に

やがて微かに、人の声の歌詞がついたとき、

私の心は震えました。



楽器だけの音楽に人の声が乗ると、

こんなに温かで心にしみるのかと、

感動しました。




そして寅ちゃんも心から涙を流し

声を出して泣くことができて

生き返るのでした。





虎に翼 第44回放送

🔺NHK➕に入っていると、一週間は
見返せます。


聴き取れないくらいの小さな歌声は
英語のようでしたが、
スコットランドのバンドのボーカリストが
歌っているそうです。


改めて人の声というものに
深く思いを馳せることになりました。



ああ、泣くということの
いかに大切なことか。

人の声の温かさの
いかにありがたいことか。