先日62日に放送された関東ローカルのザ・ノンフィクション「私のママが決めたこと」を拝見しました。

   また、彼女がX(旧・ツイッター)にスイスで最期の日(安楽死)を迎えるまでの記録が記してあることを知りました。

その記録の中で医師・政治家を名乗る人物F氏の投稿に対する彼女のコメントに目を引かれました。


   F氏は「科学的根拠に基づいて効果の大きい医療と小さい医療を見分け、効果の大きい医療に集中投資することが必要...。」と述べていました。 それに対して彼女は「私のような標準治療すら確立されていない希少がん(神経内分泌が)患者は治療機会すら与えられない世の中になりそうですね」とコメントしています。


🍀いわゆる「費用対効果」の話です。




   私は医療経済評論家ではないので難しいことは分かりません。 ただ私は「医療」とは営利目的であってはならないと考えます(しかし残念ながら現実は…)。なので医師でもあるF氏の発言にはかなりの違和感を覚えます。 

   彼の発言を私なりに解釈すると「治る病気は治す、しかしその可能性が低い病気や希少疾患には投資しない。ましてや障害を抱えた人間や、回復を見込めない終末期緩和医療などに投資するのは論外である」と...でしょうか?

おそらく彼は、営利目的の企業が使う「費用対効果」と混同されているのではないでしょうか?


   しかしF氏の発言には一理あると思われます。医療後進国日本は北欧のような福祉国家とは程遠く、しかも軍事国家を目指しているため医療資源は限られているからです。 


   ならば限られた医療資源を有効に活用できれば...

「効果が小さい医療、と言うより効果がほとんどない医療を見分け、そして削減する」ことでしょうか?


1. インフルエンザ治療薬  

   コロナ禍で一時流行が途絶えたインフルエンザ。乳幼児、妊婦さん、高齢者、基礎疾患を有するハイリスク者以外は合併症なく自然治癒する病気。治療薬タミフル、イナビル 、リレンザ…。残念ながらいずれも特効薬ではありません。昔からあるタミフルも耐性株が増えてきており、世界的にもその推奨度は低下してきています。

   特に注目されるのが「イナビル」(日本の第一三共が開発・販売)は「1回の吸入で効果が得られる」と大人気商品。 しかし、世界的には有効性は確認されておらず、日本のみでの発売となっている怪しい薬 10歳以上の場合、薬価だけでも4,400円もします。使った人は「薬のおかげでよくなりました!」と言うけれど、自分の免疫力で治しただけ。勿論、風邪薬もしかり。

 「イナビル」当初はかなり期待された薬のようですが、海外ではプラセボとの比較試験で有効性が確認されず第III相試験まで到達することなく未承認となってしまいました。 日本ではプラセボとの比較試験は行われておらず、タミフル耐性株が約2/3と多数を占める患者との比較試験で、「タミフルと同等」との結果をもって有効性ありと支離滅裂の結論がなされたのでした。従って「イナビル」未採用、または非推奨の医療機関も存在します(サルコーマの皆さんもご存知、鴨川のK総合病院もその1)。 


🐶日本でのみ承認されたのは一体何故?国が戦後、国内自動車産業を保護したように、海外巨大製薬メーカーと太刀打ちできない弱小製薬産業を庇護するため ?それとも...



2. コロナ治療薬

   その有効性、もはや言うまでもありませんね。しかもイナビルよりも桁違いに高額。さらにアベノマスクとワクチン大量廃棄(その額はなんと6,600億円!)



3. 無用な検査・治療薬 

   症状もないのに「アレルギー検査」を希望する人。ちょっとした風邪で薬を希望する人。特に小児は医療費無料なので、保湿剤ヒルドイド軟膏を子どもに処方(無料)→いくつものクリニックをはしご→美容目的で親が使って問題に。

🐶 一方、必要な検査をしない医者もいますが、これは論外ですね。


🌸 福祉国家スウェーデン

   税金は高いが受ける恩恵はとても大きい。また国会議員の年俸も日本(3,000万円超)1/3以下 。そもそも人の生き方、考え方がこの金額に反映されているのでしょうね。また医学の分野ではHPVワクチンの子宮頸がんに対する研究や、妊娠中のマクロライド系抗生剤内服が新生児に与える影響(幽門狭窄症)など大規模コホート研究が進んだ医学水準の高い国でもあります。


😎それに対して日本では…。

   後期高齢者に対する保険料負担増、年金受給年齢の引き上げ…。高齢者の定義65→70歳⁉

対して軍事費増強…失うものは大きいが、得られるものは何もない。


🐶 XのF氏、公人であるため名前は消さなかったワン

  1. 🐶ボクのオシッコ、ハンパないよ💦