✨先天性サイトメガロウイルス感染症を知っていますか⁉️


①サイトメガロウイルスって何⁉️

サイトメガロウイルス(CMV)は水痘・帯状疱疹ウイルスや単純ヘルペスウイルスなどと同じ仲間のウイルスで、一度感染すると体内から排除されずに潜伏感染します。小さな子どもが感染した場合には無症状のことが多いですが、思春期以降に感染すると発熱、頭痛、倦怠感などの症状がみられることがあります。しかし症状があってもほとんどは自然に軽快します。日本では妊婦さんの7割は既に感染していると報告されています。

②先天性サイトメガロウイルス感染症とは⁉️

日本では出生した新生児1/300人の割合で胎内感染が成立しており、そのうち約3割で出生時~数年後に症状が出ることが知られています。小頭症や低出生体重、(遅発性)難聴 、発達障害、てんかん、網脈絡膜炎による視力障害などです。特に妊娠初期の感染では胎児脳が未熟なため症状が重くなります。日本では年間約3000人の新生児がCMVに感染し、 毎年1000人のお子さんに何らかの症状が出ると推定されています。

③診断は⁉️

 生後3週間以内の新生児尿からCMVが検出されれば「先天性サイトメガロウイルス感染症」と診断されます。血液検査での抗体検査は感度が低いため信頼性に欠けます。出生時に症状が無い場合でも、難聴や発達の異常などが出てこないかどうかを診るために定期的 な通院が必要です。診断自体は簡単に行えますが、実際に診断されている患児は非常に少ない現状があります(2割程度との報告も...)。理由は、CMVに関する知識を一般の方は勿論、医療従事者でも正確な知識を持った人がほとんどいないこと、数年後に症状が出ても生後3週間以内の尿がなければ確定診断ができないからです(感度は低いも臍帯、先天代謝異常検査ろ紙血も検査可能ですが保険適応外です)。

④治療法は⁉️

2023年3月にバルガンシクロビル(商品名:バリキサ)という内服の抗ウイルス薬が世界に先駆け本邦で初めて保険適応になりました。難聴や神経学的予後の改善に対して一定の効果が報告されています。治療の適応となるのは聴覚異常を伴う場合、頭部MRI検査などで脳に異常を認める場合、あるいは眼科診察で異常がある場合に限られ、生後2か月以内に開始する必要があります(米国では生後1か月以内)。ワクチンは現在治験中です(後述 )。

⑤予防法は⁉️

この病気は最近まで妊娠中の初感染によることが多いと言われてきましたが、近年、異なるウイルス株による再感染や再活性化(妊娠を契機に以前かかったCMVが体内で増える状態)による既往感染が半数を超えると報告されています(米国ではかなり以前から報告が…)。妊娠中の主な感染源は小学校入学前までの小さなお子さん、特に3歳未満の児と考えられています。唾液や尿が口から入ることで感染が成立します。予防としてはおしめ換え後に十分な手洗いを行う、食べ残 しや飲み残しを口にしない、スプーン🥄やコップ、タオルを共有しない、鼻水やよだれを拭いた後やおもちゃを触った後は手洗いをする🖐️、キスはおでこにしてあげる😘などの注意が必要です。その他、妊娠中はトキソプラズマ感染症やリステリア感染症などの予防も大切ですよ🐱🐷🐮🎀

⑥いろいろな問題点

⭐️【診断率の低さ】 

先ほど述べたように診断率は2割程度との報告もあります。つまりほとんどが見逃されているわけです。原因としては出生時に異常が見られない場合が少なくないこと、一般小児科医や産科医の知識が乏しいこと、確定診断は生後3週間以内であること。

驚くことに一般の小児科医、「どうせ診断しても...」「治療薬、そんなに効果が期待できないんでしょう?」という発言が少なくありません‼️😡

以下、 実際にあった話。 

先天性の心臓病を持って生まれた赤ちゃん、生後間もなく小児専門病院・循環器科に入院 。 体重、身長、頭囲ともにかなり小さく(いずれも<3%)、しかも検査で片側の難聴が疑われ...。しかしサイトメガロウイルスの検査は未施行と❗(既に生後1カ月)・・・ネットで知識を得た知り合いの母親がかなり心配していました。そりゃそうだ‼️

⭐️【有効性の高い治療薬、予防法が存在しない】 

先に述べたバルガンシクロビル、確かに「著効❗️」とは言い難く...。しかも初感染妊婦さんではなく、既往感染(再活性化、再感染)の妊婦さんからの出生児が半数を超える ...。

⑦じゃあ、どうすればいいの⁉️

現在、米国のモデルナが先天性サイトメガロウイルス感染症予防のためのワクチン💉を開発中で、近いうちにFDAが認可⁉️ (日本では神戸大学主導で第III相試験を実施中) さて効果は❓ 全ての妊婦さんに公費で接種出来る❓ (医療後進国・日本では無理❓😅)


🎀 最後に...。

先天性サイトメガロウイルス感染症の児、診断されていない児も含めて少なくないと思います。障害を持った児は不幸なのでしょうか❓私も2つの難病を抱えています(いや3つかな😅)一時は自死を考えるほど落ち込みましたが、今は前向きに、出来るだけ楽しく生きるようにしています😊 勿論、障害や病気は無いに越したことはありません。私の場合、人生の折り返し点を過ぎていますが、小さな子どもたちの人生はまだ始まったばかりです。岸田内閣は「子育て助成金」「学費無償化」等の人気取りだけではなく、前のブログにも書いたようにHBV母(父)子感染対策などを含めて 真剣に考えてもらいたいと強く要望します‼️


✨以下、リンクです👇

1、トーチの会(患者会)


2、Moderna(がん治療のワクチン💉開発もやってるよー✨)