B型肝炎キャリア!? 肝細胞がん!?

 

2021年春に食道がんと診断され、不安と期待で入院。私のプライマリーナースは若い女性看護師。彼女はとても優しくて、私にとても親身になってくれました(私の思い込み!?ハートブレイク

そのうちいろいろ話しをしてくれるようになりました。

 

ある日のこと、「私、実はB型肝炎のキャリアなんです」と。私、「えっ!」いきなりそんな告白されても…ガーン 彼女「実は父親がB型肝炎だったんです。父は私をとても可愛がってくれていて、それで感染したんだと思います。父親は肝がんで亡くなりました。その時初めて私も感染していることを知ったんです。〇〇さん(私のこと)には是非今の病気を克服して下さいね」と。私「そ、そうなんですか!?」…それ以上、返す言葉は見つかりませんでした。

 

B型肝炎、首都圏の感染者は100人に1人と言われています。日本ではB型肝炎キャリアの撲滅を目指して30余年前から世界に先駆けて「B型肝炎母子感染対策事業」が始められ、母子感染は激減しました。しかし未だにB型肝炎の頻度は高いままです(成人でもキャリア化することもあります)。それは一体なぜ!?

答えは簡単です。医療後進国である日本政府にその気がないからです!

 

①B型肝炎ワクチン・定期接種化の遅れ

日本でB型肝炎ワクチンが定期接種化されたのは2016年。1992年に WHOからユニバーサルワクチン(定期接種)の勧告が出されて24年も経ってから…。国内には1/100人の感染者がいると言うのに。

②B型肝炎ワクチン・定期接種方法の問題

B型肝炎ワクチン(定期接種)。 米国や中国など海外の多くは出生後間もなく新生児に初回接種します。しかし日本では生後2ヵ月から…。これでは家族内感染(特に父子感染)は防げません!

(※但し、事前に家族内に感染者がいる事が分かっていれば0ヶ月から接種可能)

③母子感染対策の遅れ

高ウイルス量の妊婦さん。出生後12時間以内に新生児へHBグロブリン、HBワクチン投与を行っても20%の児が感染し、キャリアとなってしまう。妊婦に核酸アナログ製剤投与を行えば、母子感染をほぼ0に近づけることが可能。既に欧米、中国等では高い有効性、安全性から強く推奨されている予防法であり、わが国の「B型肝炎ガイドライン・第4版」でも強く推奨されています。しかし日本日本の現状は…。

ガイドライン作成者の一人曰く「ベムリディ(最新の核酸アナログ製剤)は実際には安全で有効な薬剤と思いますが、何か副作用が出た場合は国の救済はありません。また本邦では妊婦への安全性は確立されていないと記載され、妊婦に対しての治験を組む意向も国にはありません!」と

→ベムリディの添付文書を「B型肝炎ウイルス母子感染予防」と改定し、国策としての対応を強く望みます!!

④医療従事者(厚労省医系技官を含む)の知識不足

B型肝炎。20~30年ほど前の古い医学書には「HBe抗原(-)、HBe抗体(+)となった場合(セロコンバージョン)、ウイルス量は激減し慢性肝炎→肝硬変→肝細胞がんへ進行しなくなる」と記載されています。驚くことに、これを未だに信じている医療従事者が少なくありませんムキー

このためHBe抗原(-)キャリアの患者さんが一般内科クリニックを受診しても「何しに来たの?」と言われることが少なくないようですえーん

→受診は必ず肝臓学会専門医(HPに記載)でグッ

 

星HBe抗原非産生変異株を知っていますか⁉️】

HBe抗原(-)キャリアの15~20%を占めると報告されておりウイルス量は多いのですよ!しかも通常のキャリアの方に比べて肝硬変、肝細胞がんへの進行が速いためHBe抗原(-)だからと言って定期検診を怠らないことが大切です。またHBe抗原(-)であっても再度(+)になることも少なくありません(リバースセロコンバージョン)。

 

B型肝炎ウイルス。HBe抗原陰性であっても慢性肝炎、肝硬変を経ずに、いきなり肝細胞がんを発症することが少なくありません。また比較的若年者でも注意が必要です。

今のままでは日本は医療後進国のままです。医師免許取得と維持が難しい米国と違ってヤブ医者だらけの日本では④に対する対策は無理かもしれません。しかし②と③は出来るはずです。さすれば将来「肝細胞がん」は減らせるはずです!

医療の遅れはB型肝炎に限ったことではありませんムカムカ

この現状を喜んでいるのは〇〇、△△法律事務所だけですうんち

 

私のプライマリーナース、病院だからこそ周囲の偏見なしに働くことが出来るのでしょうね。いろいろ苦労があろうかとは思いますが、気持ちを強く持って出来るだけenjoyして生きてもらいたいと心から願っていますラブラブスター