南米エクアドル・ガラパゴス諸島で乱獲から唯一生き残り、人間に飼育されているガラパゴスゾウガメ「ロンサム(孤独な)ジョージ」の故郷の島に5月17日、ジョージの発見以来39年ぶりにガラパゴスゾウガメが移入された。近年、島の植物を食い荒らしていたヤギが駆除され、急速に回復した植生を維持するための措置。破壊された自然を取り戻す試行錯誤が続いている。

【ゾウガメの写真も】赤道直下のガラパゴス諸島で、ダーウィンの足跡をたどる

 ガラパゴスゾウガメは同諸島の固有種で、世界最大のリクガメ。ほぼ島ごとに少しずつ種類が異なっている。ジョージは雄で同諸島北部のピンタ島で71年に見つかった。同島のゾウガメは19世紀以降の乱獲で絶滅したと考えられていたため、話題となった。その後同じピンタ島固有の種は見つからず、「ロンサム」のあだ名がついた。

 一方、ピンタ島は人間が50年代に持ち込んだ3頭のヤギが最大4万頭まで増え、固有種の植物を食べ尽くす被害が出た。ガラパゴス国立公園局が03年までにヤギを駆除し、植生は戻った。しかし、植生を維持するには、植物を食べてふんと共に種をまく草食動物が不可欠で、その役目を担っていたゾウガメの「復帰」が決まった。

 ◇ロンサムジョージは故郷に戻れず

 同局によると、移入されたのは、ガラパゴス諸島のどこの島の出身か不明のため自然に戻せず、同諸島サンタクルス島で飼育されていた推定30~70歳の39頭。移入後はゾウガメに取り付けたGPS(全地球測位システム)などで観察を続けるという。ジョージは発見後、同島のチャールズ・ダーウィン研究所で飼育され、人工繁殖の試みが続けられているため、故郷には戻れない。【奥野敦史】

【関連ニュース】
<進化を分かりやすく解説>ガラパゴスが泣いている 固有種に赤信号
<進化を分かりやすく解説>生物の多様性ってなに? 大量絶滅時代
<写真でたどる>毎日古代生物館
<写真でたどる>レッドリスト「絶滅のおそれのある野生生物のリスト」
<写真でたどる>「神の鳥」息づく森 中米・コスタリカ

種牛主力級5頭は陰性、49頭は殺処分されず(読売新聞)
「受け入れがたい中身。党首がサインするわけにいかないと確認」社民・又市氏(産経新聞)
【風】「インフル狂騒曲」日本だけ?(産経新聞)
地元無視「怒」の1字、名護市で緊急集会(読売新聞)
<子ども手当>トキにも支給 ただしドジョウで(毎日新聞)