。右の画像は,ステンシルシャドウボリューム技法による影生成の例だ。右側の光源から見て輪郭となる頂点を引き延ばして出来るシャドウボリュームを可視化しつつ,影色ピクセルを描画している。「盾」の影がセルフシャドウとして,本体に落ちているのが分かると思う,FF14 RMT。  ただし,ステンシルシャドウボリューム技法では,すべてのシーン内3Dオブジェクトについて,影になろうがなるまいがお構いなしにシャドウボリューム生成を行うことになるので,フィルレート負荷が膨大になる。また,3DMark03もDOOM 3もそうだったが,当該3Dモデルの「どの頂点が輪郭として引き延ばされるのか」の判定をCPUで行う必要があるため,CPU負荷も相当なものだった。 DOOM 3における,あるシーンの影領域を強制的に可視化したものが右のワイヤーフレームだ。これらはすべて,生成された影領域。引き延ばされた頂点によって生まれた影領域が,シーン内に張り巡らされている  さらに,頂点を引き延ばして出来るシャドウボリューム単位の影生成になることから,影形状は頂点単位になるので,影形状は見た目と異なるケースも出てしまう。例えば四角形のポリゴンに葉のテクスチャを貼っていたとしても,影は葉の形状にはならず,四角形となってしまうのだ。 2004年のE3における報道資料に収録された,「EverQuest II」β版のショット。β版ではステンシルシャドウボリューム技法を採用しており,DQ10 RMT,奥のヤシの木の葉の影が四角くなってしまっている。ちなみに,これではマズいと判断されたのか,現在稼働中の製品版だと,木に影は落ちない ●パースペクティブ?シャドウマップ  続く「3DMark05」で採用されたのは「シャドウマップ」(Shadow Maps)技法の改良版「パースペクティブ?シャドウマップ」(Perspective Shadow Maps,以下PSM)だ。  ……と,いきなり改良版の話をしてもアレなので,まずはシャドウマップ技法について説明しよう。  「デプスバッファシャドウ」(Depth Buffer Shadow)技法とも呼ばれるシャドウマップ技法は,ゲームでは「Tom Clancys Splinter Cell」で初めて採用されてから,関連技術の進化と,採用ゲームタイトルの増加が著しい。  シャドウマップ技法では,まず初めに,光源を仮想視点としてシーンの深度情報のみをレンダリングする。これを「Zバッファレンダリング」(Z
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