。 安藤氏:  ですね。これまで,ゲームというプラットフォームは映画でいうところの“巨匠”を目指す人に優しくて,やり甲斐や挑み甲斐のあるものでした。もちろん,これはこれで残っていくと思うんです。  でも今は,スピード感でも勝負できる分野が新たに立ち上がってきたわけで,そこではいいところも悪いところも含めて全部見せながら突っ走っていくようなゲーム作りが適していると思うんです。常に,プレイヤーの声を聞きながら改善していくような。 :  ただその場合,「なんで完成してないものを世に出すんだ?」という批判も出てきますよね? 安藤氏:  そういった声が出るのは当然だと思います。「今,一生懸命面白くしてますから」と釈明したって,普通は「面白くしてから出せ」って言う人のほうが多いでしょう。  でも僕は,とくに運営もののゲームの場合は骨の部分さえしっかりしていれば,プレイヤーとキャッチボールしつつ,アラド RMT,走りながら考えればいいんじゃない? というスタンスなんです。 :  スクウェア?エニックスという会社では異端ですよね? 安藤氏:  そうですね。任天堂さんの「」を読むと,野村(哲也氏)なんかはハッキリと「苦労したところは語るな」という言葉に影響されていると発言していますし。エンターテイナーがしんどいところを見せたらいけないという考え方は,確かに一つの価値観だと思うんです。  でも僕は,テレビの,しかもバラエティ番組のように,良い意味でしっちゃかめっちゃかにやっているドライブ感を出していきたいんですよ。少なくとも僕の関わるものに関しては,熱も生まれますから。  ……まあ,それを僕はかつてパッケージでやって,失敗してるんですけど。 前山田氏:  それ,ももいろクローバーZと同じですよ(笑)。 :  成長過程を作り手とファンが共有することで,ダークブラッド RMT,独特の熱を生んでいますし,メジャーになりつつある中でも,おかしなことばっかりやってますし。 安藤氏:  それなんですよ。ニコニコ生放送のライブ感だって,視聴者とのやりとりによって“完成”に向かっていく過程を共有できるからこそ,楽しいというところがありますよね。  スマートフォン向けのゲームについても,今後はスペックが向上していって,ゲームを作るときのさまざまな負担も大きくなっていく可能性はありますけど,少なくとも今の時点では,何でもスピーディに対応できるんですよ。これって,このプラットフォームだからこそ初めて実現されつつあることだと思うんですけど,そのこと自体が凄く面白いんです
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