「溶血性レンサ球菌(溶連菌)」が原因で極めて致死率が高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の東京都内の今年の患者数が、過去最多だった昨年を早々と上回り、最多を大幅に更新するペースとなっている。都は手足の腫れや痛み、発熱などの症状がある場合すみやかに医療機関を受診するよう呼びかけている。◆症状は手足の痛みや発熱に始まり急激に進行。劇症型溶連菌の患者数、東京都内で過去最悪ペースの147人 昨年は約3割が死亡「致死率の高い感染症」© 東京新聞 提供

都によると2024年の患者報告数は1月から5月上旬にかけて例年の3倍のペースで増加。5月中旬以降はやや落ちついたが6月2日現在、23年の141人を上回る147人に達した。23年は患者報告数のうち約3割の42人が死亡した。全国の患者報告数も同日現在、過去最多だった23年の941人を超え977人に上る。13日の都感染症対策連絡会議で報告された。東京感染症対策センターの賀来満夫所長は「致死率の高い感染症であるが、早期に気づくことで治療できる」と指摘した。症状は手足の痛みや発熱に始まり急激に進行。数十時間以内に多臓器不全を発症する。手足の壊死(えし)を引き起こすこともあるため「人食いバクテリア」とも呼ばれる。発症のメカニズムは解明されていない。