6/10に欧州では大きなニュースになっていましたがEU議会選挙が各国で行われました。EU議会はEUにおける「立法機関」の役割を持つとされていてEU市民により選挙が行われますがこれは事実上「民主主義的な組織」だと見せかける為の、発議権を持たない形ばかりの議会のようなものになっています。EUの政策を決めているのはEU市民からの選挙で選ばれていない「EU委員会」の権限となっていてそのトップに現在女帝のように君臨しているのがウルスラ・フォン・デア・ライエン氏となっています。

(上の写真:現在のEU委員長ウルスラ・フォン・デア・ライエン氏)今回EU加盟国の国民によって選挙が行われたのはほとんど権限を持っていない形式的なEU議会議員の選挙となっています。EU加盟国各国に割り当てられる議席数は人口規模に基づいていてドイツ が96議席 フランスが81議席を持っている一方キプロス、 ルクセンブルク マルタはそれぞれわずか6議席しかありません。そして今回のEU議会選挙ではフランスとドイツで 欧州メディアの言うところの「極右」政党が躍進しました。いくらEU議会が実際の権力は持たないとは言ってもEU市民による選挙が行われたのですから現在の各政党の人気度は反映されているかと思いますので今回ご紹介したいと思います。

特にフランスでのマリーヌ・ルペン氏の父親のジャン・マリー・ルペン氏が設立した保守愛国政党の「国民連合」(以前は「国民戦線」と呼ばれていた)の躍進が凄いのでこれは要注目と思いますフランスのメディアFRANCE24からの記事を全てではなく重要なところを抜粋してご紹介します

 ↓(日本語に変換したもの)


フランスの極右がEU選挙で圧倒的な勝利を収めたので、マクロンは議会を解散: フランスのエマニュエル・マクロン大統領は日曜日、欧州議会選挙で自身の陣営が極右の国民連合党に大敗するとの見通しを受け下院を解散し新たな議会選挙を要請すると発表した。その日の出来事がどのように展開したかはライブブログでご覧ください。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は日曜日極右政党「国民連合(RN)」がEUの世論調査で大統領の中道連合を圧倒すると予想されたことを受けて議会を解散し6月30日と7月7日に早期の立法選挙を実施すると発表した。予測によると極右政党は 大統領の中道連合の 2倍以上の得票数を獲得した。フランスの投票率は午後5時時点で2ポイント上昇し、有権者の45.26%が投票した。2019年の43.29%と比べて上昇した。EU選挙の投票率は一般的に低いが2019年の前回選挙では投票率が50.7%となり30年ぶりに上昇した。イプソス・ソプラ・ステリアが日曜に行った世論調査によるとフランスの棄権率は2019年の約50%から48.6%に低下したと推定される。オーストリア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、スペインでも極右政党が大きく躍進すると予想された。欧州議会における各国の代表権は人口に基づいて決定され最も議席数が多いのはドイツの96議席とフランスの 81議席である。一方キプロス、ルクセンブルク、マルタはそれぞれわずか6議席しか保有していない。選挙の予測と最終結果は専用ページでご覧ください。 以下各国別の状況

●イタリアではメローニ首相の党が支持を伸ばした: 欧州議会選挙での勝利はイタリアのメローニ首相の国内および欧州での支持を後押し。国営放送局RAIが集計された投票数の約70%に基づく予測によればメローニ氏のイタリア同胞党は、2022年の総選挙で獲得した26%からさらに成績を伸ばし国内で最も人気のある政党としての地位を固めた。メローニ氏は自身の「ブランド」に賭けて選挙運動を自分らしく展開し極右政党が大きな勢力を伸ばしたEUで今や最も影響力のある人物の一人としての地位を確立した。我々が史上最強の政府とともにG7と欧州に向かえることを誇りに思う」とメローニ氏は述べた。彼女はこの結果を「並外れたもの」と呼びこれを将来への「原動力」として活用することを誓った。

●ドイツでは極右勢力が拡大、与党勢力は減少、EU投票では保守派がリード: 出口調査と部分的な集計に基づく公共テレビ局ARDとZDFの予測ではオラフ・ショルツ首相率いる中道左派の社会民主党(SPD)の支持率は約14%だった。「ドイツのための選択肢」(AfD)は16%強の票を獲得し2位になる可能性が高いとみられている。現在主要野党勢力となっている中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は約30%の得票率で勝利すると予想されていた。CDUのフリードリヒ・メルツ党首は、予想される選挙結果を与党連合にとって「大惨事」と呼び有権者の大半は何よりも国内の政治的配慮に影響されていると指摘した。※現在ショルツ首相の社会民主党と連立を組んでいる「緑の党」は大惨敗と伝えられています。欧州連合(EU)が発表した最初の予測によると日曜日に行われたドイツおよび他の多くの国での欧州議会選挙で緑の党は大きな打撃を受けた。「ドイツにおける問題の一つは国民が光熱費を非常に心配していることだドイツは数年前に緑の党からの強い圧力を受けて原子力発電の使用を中止したが、消費者の中にはそれが価格上昇につながっていると考える者もいる」とベルリンからリポートしたフランス24のニック・ホールズワース氏は述べた。

●フランスのマクロン大統領、EU選挙の失敗を受け大規模な賭けとして総選挙を決断: フランス社会党のラファエル・グリュックスマン党首、マクロン大統領の早期総選挙の呼びかけに反応「エマニュエル・マクロンは(国民連合の代表)ジョーダン・バルデラに屈した。これは民主主義と制度を弄ぶ非常に危険なゲームだ。私は驚愕している」とラファエル・グリュックスマン氏は語った「現在フランスでは極右が投票者の40%を占めている。欧州全域で我々は民主主義を根底から揺るがす波を目撃している。」フランスの極右指導者マリーヌ・ル・ペンはマクロン大統領の早期議会選挙の呼びかけに反応した。「この決定は第5共和制の制度の論理に合致しており歓迎するしかない」とマリーヌ・ル・ペン氏は述べた。来たる議会選挙でフランス国民が我々に信頼を寄せてくれれば我々は政権を握る用意がある。我々は国を立て直す用意がある。我々はフランス国民の利益を守る用意がある。我々は大量移民を終わらせる用意がある。我々はフランス国民の購買力を優先する用意がある。我々は国の再工業化を始める用意がある。

●北欧では左派政党がEU投票で増加、極右政党は減少: 公式結果によれば日曜日の欧州議会選挙では北欧諸国で左派政党と緑の党が支持を伸ばしたが極右政党の支持は減少した。ウルフ・クリスターソン政権を支える反移民を掲げるスウェーデン民主党は2022年の総選挙でそうであったように票を獲得してクリスターソン氏の保守系穏健党を追い抜いて第2党になると予想されていた。結局同党は党史上初めて選挙で敗北を喫した。開票率90%以上で得票率は13.2%となり2019年の選挙より2.1%ポイント下がった。同党のジミー・アケソン党首は同党が匿名の「荒らし」アカウントを利用しているというテレビ局TV4の報道がメディアの注目を集め国内で政治スキャンダルを引き起こしたと非難した。「欧州をどう改善していくかについて話すことは許されず全く異なる質問に答えなければならなかった」とアケソン氏は選挙政党に語った。
●ハンガリーではオルバン首相の右派政党がリード: ハンガリーのフィデス党がEU投票で勝利する見通しだがマジャルの野党が躍進。日曜日の欧州議会選挙でハンガリーのビクトル・オルバーン首相率いる右派政党フィデスが43.8%の得票率でリードしたことが部分的な開票結果で明らかになった。ピーター・マジャール氏の野党ティサ党は31%で第2位となった。開票率40%時点での当初の集計ではフィデス党が欧州議会で11議席を獲得しハンガリーのティサ党が7議席を獲得すると予想されていた。

 ●オーストリアの極右の勝利は当初の予想より僅差、放送局が報道: オーストリアの国営放送局ORFによると日曜日のオーストリアの投票所での投票数と郵便投票の予測により極右の自由党が欧州議会選挙で勝利したことが確認されたがその差は予想より小さかったという。ORFによると自由党は得票率25.5%を獲得し保守系人民党(OVP)の24.7%と社会民主党の23.3%を僅差で上回った。日曜に発表された世論調査に基づく予測では自由党がOVPを3.5%ポイントリードすると示されている。

●スペインでは中道右派PPが欧州選挙で勝利、社会党首相に打撃: スペインの中道右派の国民党(PP)は日曜の欧州議会選挙で国に割り当てられた61議席のうち22議席を獲得してトップとなりペドロ・サンチェス首相率いる社会党政権に打撃を与えた。テレサ・リベラ・エネルギー相が率いるサンチェス氏の社会党は首相夫人の私的な汚職疑惑や選挙のわずか1週間前に可決されたカタルーニャ独立派指導者に対する恩赦法に焦点を当てた選挙戦の結果20議席を獲得した。極右政党ボックスは議員6名で第3位となり前回の議会での4名から増加した。

 ●スロバキアのフィツォ首相の政党、自由党に敗北を認めるスロバキアのロベルト・フィツォ首相は暗殺未遂事件で重傷を負ってから数週間後、欧州議会選挙で野党の自由党に敗北したと同首相の所属政党が日曜日に発表した。フィツォ氏の左翼民族主義政党「進歩スロバキア社会民主党」はフェイスブックページで「選挙の勝者、進歩スロバキア」と同党の新欧州議会議員たちに祝意を表した。大手マスコミが言うところの「極右」がフランスやドイツで躍進したEU選挙の状況を受けて欧州委員会委員長フォンデアライエン氏がコメント

 フォンデアライエン氏「極端さに対する砦を築く」と誓う: 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は日曜日投票予測では同委員長の中道右派グループが首位となる新欧州議会で「極端に対する砦」を築くと誓った。「我々は左派と右派の両極端に対抗する砦を築く」と彼女はブリュッセルで欧州人民党(EPP)の党員らに語った。「EPPなしでは多数派は形成できない」と彼女は語った。「我々は彼らを阻止する。これは確実だ」

(上の写真:演説するEU委員長のフォン・デアライエン氏)(以下フォン・デアライエン氏の演説のビデオの和訳)※元のビデオはこちら


私は私の最初の任期において強い欧州に何が達成できるのかということを明示してきました。私の目的は親EUであり親ウクライナであり親「法の秩序」でこの道を続けることです。明日からまたこの仕事が始まります。しかし私は二期目を担うことについて確実に自信を持っています。

  「私たちは極左と極右に対しての強い砦を築くだろう」ーウルスラ暗殺未遂事件で重傷を負ったフィツォ首相の左翼民族主義政党が負けたというのは1つ意外でしたがこのようにフランス、ドイツ、ハンガリー、スペインでナショナリスト政党が躍進したことが気に入らないのがグローバリストの看板女優であって世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ氏のお気に入りとも言われているフォン・デアライエンEU委員長です。しかし彼女の演説の中の「親ウクライナ」の路線で2期目を担うってEU加盟国でもないウクライナを EUがなぜここまで軍事支援や経済支援しなければならないのでしょう。そのようなEUの政策への反発が フランスでの「国民連合」やドイツでの「ドイツのための選択肢」への人気につながっているとは全くこのお方は気づいておられないのでしょうか。岸田首相もそうですが国民の意見を無視して、ただただグローバリストからの命令に従って支持率が下がろうが何だろうが持ち前の「鈍感力」を最大限に発揮しているようです。そしてワクチンのように市民に問うと大きく意見が割れそうな政策の時には独裁者のようにふるまって誰に相談することもなく強引に何でも決めてしまうというそのような方がトップにいるのが現在のEUですEU議会はあっても単に形だけその上の委員会で市民に選ばれたわけでもないEU委員が何でも決めてしまうというのは日本での現在の議会制民主主義に非常に似ています。日本の場合は重要法案が議会で議論されずに「閣議決定」でどんどん決定されるという流れを作ったのが現在人材派遣会社の会長を務めているケケ中氏が重用されるようになった小泉政権あたりからではないかと思います。

 

「民主主義」とは程遠い、「形だけの選挙」と「形だけの議会」があって、選挙は 国民にとっては「自分が政治に一票を投じると言う形で参加している」と思い込ませる「ガス抜き」的なイベントとなっており、実際は国民の知らないところで重要法案がどんどん閣議決定されている という、「民主主義を装った異様な権威主義国家」と同じようなことになっていると私は思います。(なぜ”異様”かと言うと、支配者が日本国内にはいなくて米国にいて、ディープステートが首相を動かしているから)

 

EUも 結局は米国の欧州における便利な一極支配の為のツールとして、冷戦中やユーゴスラビア内戦で解体した旧社会主義国から生まれた、たくさんの新しい小国をまとめ上げてEUという1つの組織にして、1つの法律、規制で、圏内を自由に移動できる国境という形でまとめておいたほうが米国にとって都合がよいのであって、本来軍事に関係ないはずのEUが なぜか米国のロシアに対する代理戦争の駒にされているウクライナを全力応援しているというのがあくまで「米国の欧州支配の為のEU」というのを象徴していると思います。

この米国による完全支配から脱しない限りEU、特にドイツの真の独立はないと言えるでしょう。