2024-01-15 ウクライナとロシアの戦争の情報をネットで追いかけている人たちの中では有名な方なのですが、チリ系アメリカ人(チリとアメリカの二重国籍)の人気Youtuber兼ジャーナリストのゴンザーロ・リラ氏が逮捕されていたウクライナの刑務所で肺炎により死亡したとのニュースが1/12に入ってきました。

 

(上の写真:ゴンザーロ・リラ氏)チリ系アメリカ人がなぜウクライナで?と思われるかもしれませんが彼はウクライナ人女性と結婚して子供もいてウクライナに住んでいました。(奥さんと子供は早めにロシアに避難して現在でも無事だと思います。)最初は首都のキエフにその後東部の都市ハリコフへと移動してゼレンスキー政権やアメリカ政府、ネオコンを非難し色々なゲストを招いて戦況等についてディスカッションしたりするYoutube番組を主宰したりしていました。彼は昨年5/6に3回目の逮捕をされていたのですがその逮捕容疑となったのがウクライナ当局から公開されている下のビデオです。


ビデオの中のゴンザーロ氏が英語で何を言っているかというと下のようなことです。「ウラジーミル・プーチン......彼はどこからどうみても民族主義者ではあるが帝国主義者ではありません。キエフの政権について私がちょうど今、言っていることはこの人たちはネオファシストでありネオナチです。欧州がゼレンスキーをあやつっていますねまたキエフ政権は常にドンバス地区を砲撃しています。2015年以降この紛争が始まって以降、16,000人が死亡しました。800~1000人の子供たちが殺されました。」ウクライナではこのようなことを言っただけで「ロシアの行動を公に支持した」という容疑で逮捕されるのです。アメリカや日本も含めた西側諸国が支援するウクライナは「自由と民主主義の為」に独裁で権威主義のロシアと戦っている・・・ということを多くの方が言っていますがウクライナでは表現の自由は全くありません。ゼレンスキーを非難というよりも客観的な事実を言っただけでこのように逮捕されるのです。最初の2度の逮捕では保釈された後にウクライナから出国禁止命令も出ていた為、ゴンザーロ氏はウクライナ国内に留まりながら保釈中にも以前と同じスタンスでゼレンスキー氏を批判するYoutubeやtwitterへの投稿を続けていたのです。そしたらついに5/6に3回目の逮捕をされおそらく裁判では5、6年の実刑になるだろうと予想されていました。勾留中には殴られる、鋭利なもので眼の白目を突かれる等の虐待や、彼がわりと裕福であることがバレるとその後は恐喝の被害に遭ったことも告白していました。裁判が間近に迫り一時保釈されたゴンザーロ氏はバイクに乗ってゼレンスキー政権に対して批判的な立場を取るハンガリーに難民として脱出することを決意します。最後のTwitterへのビデオ投稿はハンガリーとの国境からあと5キロというところでの投稿でした。そのビデオは私は見たものの数ヶ月前で詳しい内容は忘れてしまいましたが、もしも脱出に成功したら今後もSNS等に投稿するがもし投稿がなければ状況を察して大騒ぎして欲しい。もし逮捕されたらきっと獄中で死ぬことになるだろう・・・というような内容だったかと思います。そしてゴンザーロ氏からのSNSやYoutubeへの発信はその後なくウクライナで逮捕されていることが明らかになるのですが非常に不可解なのがゴンザーロ氏はアメリカ国民なのに自国民を守ろうとしなかったアメリカ政府の対応です。アメリカ国民がウクライナで不当に逮捕されているということは大きなニュースにもなって人気キャスターのタッカー・カールソン氏や起業家のイーロン・マスク氏もゴンザーロ氏の釈放や出国へ向けてアメリカ政府がウクライナへ働きかけるべきだと声を挙げていました。しかしアメリカ政府がウクライナ政府に働きかけたことは全く無く2、3度米大使館から本人に電話した程度で終わったようです。ゴンザーロ氏は刑務所内で肺炎や肺気腫、肺水腫を患いそれが悪化して呼吸が苦しくなってもしばらくは放置されてようやく医師の診察を受けた時にはすでに肺水腫がかなり悪化していて死亡に至ったとのことですが、事実上ウクライナ当局による虐待行為で殺されたのと同じではないでしょうか。そしてもう1つアメリカが「中東で唯一の自由民主主義国家」だと称するイスラエルの逮捕したパレスチナ人に対する刑務所内での酷い人権侵害を最後にご紹介します。これもかなりショッキングなニュースです。逮捕されたこのパレスチナ人の青年の逮捕前と今とを比較する写真を見ただけで彼がどんなに酷い状況に置かれていたかが分かります。


イスラエル、釈放されたパレスチナ人の囚人が拡散された後、過失を非難された: 釈放後虚弱で栄養失調に見えるファルーク・アル・ハティブの画像は家族、友人、イスラエルの刑務所制度の批判者に衝撃を与えた。イスラエルの拘禁から出た後に立つこともできない痩せ細った若いパレスチナ人男性の写真がイスラエルのパレスチナ人拘留者の扱いをめぐる議論を再び引き起こした。水曜日イスラエル当局は家族の主張によれば冤罪で8月に逮捕された30歳のパレスチナ人男性ファルーク・アル・ハティブを釈放した。彼の家族がミドル・イースト・アイ(この記事を掲載している通信社のこと)に語ったところによるとハティブさんはイスラエルの行政拘留中に4か月間拘留されていた間に健康状態が著しく悪化しそこで体重が約25kg減少し現在はわずか35kgとなっているという。

それ以来投獄前後のファルークの画像がソーシャルメディア上で急速に広まった。弟のホッサム・アル・ハティブ氏によるとファルーク氏は釈放直前にステージ5の胃がんと診断され現在は占領下のヨルダン川西岸のラマラにある病院で終末期ケアを受けているという。ファルーク氏が8月23日に再逮捕された理由は不明だが家族によるとファルーク氏は2019年から2023年6月までの4年間の懲役刑を終えたという。ホッサム氏によるとファルーク氏は再逮捕後、当初は悪名高いオフェル軍事刑務所に拘留されていたが10月7日にガザからのパレスチナ人グループによるイスラエル南部への攻撃の後ネゲブ砂漠にあるナファ刑務所に移送されたという。そこにいる間多数のイスラエル人看守が囚人たちを攻撃したとホッサム氏は語った。「ファルークは太い鉄棒で腹を殴られた。
同氏は家族は事件について何も知らなかったが後に釈放された村の元囚人がファルークさんの状態を家族に伝えたと付け加えた。受刑者によるとファルークさんは事件後、腹部に激しい痛みを感じたが刑務所当局は治療を拒否したという。伝えられるところによると彼は3日間独房に監禁され睡眠と食事も奪われていたという。その後彼はラムラ刑務所の診療所に移送されたがそこで健康状態が悪化し排便障害と持続的な嘔吐に苦しんだと家族は述べた。「彼の状態が悪化したため刑務所管理者は最終的に彼をソロカ病院に移送しそこで生検が行われ癌を患っていることが判明した」とホッサム氏は語った。「私たちは弁護士の面会を受け入れるよう刑務所管理者に圧力をかけようとして地元および国際的な人権団体に連絡しましたが私たちの要求はすべて拒否されました。
正当な配慮なしに釈放された: 水曜日の朝家族の弁護士は家族にファルークとの面会が許可されると通知し夕方遅くに電話でラマラ近くのニリン検問所で釈放されたことを伝えた。現在ラマラ政府病院で治療を受けているがファルークさんが痛みで吠える中、取り乱した5歳の娘は湾の近くで泣き叫んだ。ホッサム氏は「イスラエル占領軍がファルーク氏を解放したのは間違いない。なぜなら彼の病気は末期であり適切な治療も受けられず健康状態が完全に悪化したからである」と述べた。
MEE(このニュースの通信社)はイスラエル刑務所当局にコメントを求めたが本誌発行までに返答は得られなかった。パレスチナ人権団体はパレスチナ捕虜に対するイスラエルの医療過失政策であると主張することを繰り返し非難し1967年以来イスラエルの拘留下で数十人の病気の捕虜の死亡を記録している。世界保健機関と占領地の人権を担当する国連特別報告者もイスラエル刑務所の病気のパレスチナ人捕虜の扱いについて懸念を表明している。  パレスチナ当局によるとイスラエルの刑務所にいる男女500人以上のパレスチナ人囚人が病気に苦しんでおりその中には数十人が癌を患っているという。刑務所権利団体アダメールによるとイスラエルの刑務所には少なくとも7,000人のパレスチナ人がおりそのうち200人の子供と2,070人の行政拘禁者が裁判も起訴もされずに拘禁されている。ファルークさんの兄弟のもう一人カッサムさんは10月7日の襲撃後に逮捕されたが家族は彼がどこに拘束されているのか全く分からず弟の病気について知っている可能性は低いと述べている。