伝説のマフィア「アル・カポネ」 - 善人を装ったイメージ戦略・マスコミ対策とは?



アルカポネ 伝説ド派手な経歴

生涯で関与した殺人は450件。そのほとんどで自分の手は汚さず配下の殺し屋700人が執行。賭博場300軒、売春宿3000軒の大半を傘下に治め全盛期の年収は約240億円とも。普段の生活は事務所でもあるシカゴ中心部の一流ホテル大胆不敵にもホテルの周辺には市役所や警察署があった。誕生日にはお気に入りのジャズピアニスト、ファッツ・ウォーラーを拉致して演奏をさせた。豪快なエピソードには事欠かない。

「マネーロンダリング」の語源となった

アルカポネは コインランドリーをいくつも買収そこに集まる無数の現金に汚い手口で稼いだ金も紛れ込ませた。コインランドリー経営者という「表」の顔で「裏」の汚い仕事の儲けを堂々と洗浄。文字通り金を洗濯(money laundering

聖バレンタインデー虐殺事件

アルカポネによる聖バレンタインデーの虐殺

ライバル組織の幹部7人が倉庫で密会しているところ5人組の警察官が突入。壁に並ぶよう命じられた7人はそのままあっけなく射殺。実はアルカポネの手下が警察に変装してライバル組織を一網打尽にしたのだった。偽物のパトカーまで用意していたという。1929年2月14日に決行されたこの事件が「聖バレンタインデー虐殺事件」これが世間に知られると国民的人気者だったアルカポネの名声は失墜。メディアと警察も逮捕へ向けて舵を切った。

ギャングなのに慈善事業


陪審員を買収していたが裁判直前に情報が漏洩陪審員は交替。結局アルカポネは刑務所送り。しかし刑務所でもさっそく所長たちを買収。今までの豪華なホテル暮らしと何ら変わらないセレブ生活。刑務所内から部下たちに堂々と命令を出していた。

アルカポネのイメージ戦略


アルカポネの汚い手口

  1. ウソはついたもん勝ちだ。ウソには 半分真実を混ぜろ。汚い仕事は部下にやらせろ。善人を徹底的に演じろ。市長、警察、メディアは買収しろ。

ギャング業を ビジネスと捉えた

アルカポネは古いギャングの体制に変化をもたらした。今までもギャングがビジネスに手を出してはいた。アルカポネはギャング業をそれまでよりも明確に「ビジネス」と捉えた。ただし本質はやはり反社会的なギャングなので、手口はセコいし汚い。これをオバマ大統領やヒラリーが学び実践したかと思うと引いてしまう。

① ウソはついたもん勝ちだ


② ウソには 半分真実を混ぜろ。


良心的な人々は疑うことを避ける。健全な名前の看板があればそれをそのまま信じる。そうした人々の良心に漬け込むウソのテクニック。騎士道の欠片もない汚い手口だ。



気前よく明るく紳士的な振る舞いは彼と出会った人々を魅了。実際シカゴでは街の名士。人々も街のいいおじさんとしてとても慕っていた。アルカポネは自己PRに長けており当時のアメリカで善玉をイメージさせる白い帽子を常に被っていた。現存する肖像写真を見るとふくよかで優しそうな微笑を浮かべてもいる。これらはいずれも絶大な効果を発揮。全米で人気を博して現代のロビンフッドとさえ呼ばれた。ついにはTimes誌の表紙にまでアルカポネが登場。まさに稀代の人たらし。だがその裏側は冷酷そのもの。戦争下でもあるまいし良識ある人間なら 450件も殺人に関与しない。若い女性に売春をさせて稼がせることに良心が耐えられるはずがない。幸せな家庭を破壊するのを承知で未来ある青年たちを麻薬漬けにしない。自らの富と権力を巨大化させるために悪魔のような所業を平然と繰り返す。それを隠すために「善人の仮面」を幾重にも重ねる。また善良な大衆はすっかり信じ込んでしまっていた。「悪人は善人の顔をして近ずいて来る」まさに\_(・ω・`)コレ


気が付けば新聞記者の50%シカゴ警察の60%がアルカポネの手下。真実を知らない市民。堂々と悪を働くアルカポネ一味。シカゴの道徳は失墜。今でもシカゴが凶悪犯罪都市であるのはこの暗黒時代と無縁とは言えないだろう。

結果:悪は滅びる

ついに善の仮面が剥がれ世間にその素顔を晒された裁判判決。最終的に脱出不可能として有名なアルカトラズ島刑務所へ。アルカポネはそこで梅毒が発症し痴呆症も進行。刑務所仲間たちからバカにされることも。刑務所内ストライキに参加拒否したため妻子を殺すぞと脅された日には布団でシクシク泣いていたという。もはや暗黒街のボスであった面影はない。運よく出所短い晩年を家族と過ごし肺炎で死亡。享年47歳かつて君臨したシカゴに戻ることはなかった。

アルカポネから学ぶ教訓


執筆しておいて何だが筆者としては納得しがたい結論ではある。

② でもバレたら 世界中を敵にまわす

聖人がたった一つでも罪を犯すと世界で1番の悪党扱いになる。悪人がたった一つでも善行をするとあんないいヤツはいないとなる。

これは筆者の人生経験による法則。実はこれも納得し難いのだが経験上皆さんの周辺でもかなり当てはまっているはずだ。アルカポネは派手に慈善事業を展開していた。自らPRしていた。ある日、善の仮面が剥がれ落ち悪行が暴露した途端に全米から大顰蹙を買った。もうどんなに善行をしても誰も信じてくれない。とても恥ずかしかっただろう。

③ マスコミ情報を 鵜呑みにしない

買収されていたマスコミや市長、警察が一番悪い。とは言えその情報を鵜呑みにしていたシカゴ市民に反省点はないのか?良心的な人々ほど疑うことを知らず騙されやすい傾向がある。しかし良心的な人々こそ強くあらねば悪が堂々と跋扈する社会になってしまう。世界をよくしたい。良心的でありたい。そうした人々ほどマスコミからの情報を鵜呑みにしてはいけない。操作された情報が氾濫している社会。それに気付いている人々も多いだろうが悪はいつの時代でも狡猾。自戒を込めて今の情報化社会に警鐘を鳴らしておきたい。