米のボーイング社の飛行機といえば、欧州のエアバス社と共に、世界の航空会社に納品される旅客機の市場をこの2社でほぼ独占状態といってよい巨大企業です。(世界の8割の旅客機がこの2社によるもの)そのボーイング社では工場で働いている従業員が「自分は(ボーイング社の飛行機には)乗りたくない」と言っているところが中東カタールの放送局アルジャジーラで放送されたりしています。アルジャジーラが15人の従業員に「これらの飛行機にあなたは乗りたいですか?」と聞いたところなんと15人中10人が「乗りたくない」と答えています。

「私はこれらの飛行機には乗りたくないね。なぜなら私はこの辺にいる●野郎の質が分かっているから。」「この辺にいる●野郎の質」というのは自分たちが行っている組み立て作業の重要性が分かっていない労働者がおりどこかのストリートで路上生活していた人、例えばコカイン、鎮痛剤依存症だったり大麻を吸ったりしている人々が工場の従業員の中にいて会社側は薬物検査もせずにそれらの労働者を放置しているとのことです。上のスクリーンショットは下のアルジャジーラの番組から取ったものです。(動画のタイトル:ボーイング787:壊れた夢)

そして本年3/9ボーイング社の品質不正行為を内部告発していた品質管理部門に務めていたかつての従業員が不審にも死亡した状態で車で発見されました。(これを大手メディアは揃って「自殺」と報道)まずは不審死したジョン・バーネット氏がどのようなボーイング社の不正を内部告発していたのか、そしてボーイング社を訴えていた彼はどのような状況で不審死されたのか大手メディアで知るニュース以上に詳しい状況をTweetされている方がいらっしゃいましたので彼のTweetをいくつかご紹介します。https://x.com/CollinRugg/status/1767311900411642119 NEW:ボーイング社の内部告発者ジョン・バーネット氏(62歳)がボーイング社に対する訴訟に関連した法廷面接に現れずトラックの中で死亡しているのが発見された。 バーネット氏はボーイング社で 32 年間勤務し2017 年に退職した。退職後バーネット氏はボーイング社がいかに自社の航空機に手を抜いているかについて語りました。バーネット氏は亡くなる数日前にボーイング社に対する訴訟で証拠を提出した。 バーネット氏はボーイング社が航空機に「意図的に規格外の部品を取り付けている」と非難した。 同氏はまたボーイング社の酸素システムに欠陥があると非難し呼吸用マスクの4枚に1枚は緊急事態に「機能しない」と述べた。 バーネット氏は新しい航空機の製造が急がれていると語った。彼が懸念を伝えたところ会社はそれを無視したと言われている。バーネット氏が亡くなったときバーネット氏はボーイング社に対する訴訟に関連したインタビューのためチャールストンにいた。 同氏は土曜日にさらなる尋問のために戻ってくる予定だったが現れなかった。ホテルに問い合わせが行われたところバーネットさんは駐車場の車の中で死亡しているのが発見された。警察はバーネットさんの死について捜査を行っているがバーネットさんは「自傷」した傷が原因で死亡したと発表している。下のビデオはバーネットがTMZと行った最近のインタビューです。まったく普通です。https://x.com/CollinRugg/status/1767372175449956600 もっと可能性が高いのは: ボーイング社の内部告発者がボーイング社に対する証言をするために旅行しホテルを予約し駐車場で銃自殺した。またはボーイング社の内部告発者がボーイング社に対する証言をするために旅行しホテルを予約したが駐車場で銃撃される。https://x.com/CollinRugg/status/1767314287666872791結論は自分で決めて下さい。(下はTweetの中の写真をGoogleで和訳したもの)

https://x.com/CollinRugg/status/1767313155422859746 そこでバーネットは法律の面接を受けるためにわざわざどこかへ行き自分でホテルを予約し法律の面接を受けるために現れ、そして面接の合間にトラックの中で自殺したのです... これはボーイング社が彼を殺すために誰かを雇ったことよりもはるかに信じられないことですhttps://x.com/CollinRugg/status/1767313569450951108 バーネット氏はボーイング社の品質管理部門のマネージャーとして数十年務め2017年に退職された方です。そして内部告発と訴訟を行ったのは2017年だと3/13付のワシントン・ポスト紙では報道されています。そして6月の公判期日に向けて準備を行っていたところでした。https://www.washingtonpost.com/transportation/2024/03/12/boeing-whistleblower-dead-john-barnett/https://www.washingtonpost.com/tr

バーネット氏が死亡した当時バーネット氏は2017年にボーイング社に対して生産問題への懸念を引き起こしたとして起こした内部告発訴訟で同社が彼に対して報復したとして6月の公判期日を前に証言録取の最終日を終える予定だった。バーネット氏の弁護士の一人ロバート・M・ターケウィッツ氏によるとバーネット氏は土曜日の午前10時に証言録取に現れず携帯電話やホテルの部屋への電話にも応答しなかったという。ホテルの従業員はホテルの駐車場でオレンジ色のピックアップトラックに乗っているバーネットさんを発見した、とターケウィッツ氏は付け加えた。下はNBCニュースのインタビューに答えたバーネット氏の驚くべき発言です。https://www.nbcnews.com/news/us-news/boeing-whistleblower-warned-aircraft-safety-flaws-found-dead-rcna142910 

しかしバーネット氏はタイムズ紙に「安全で飛行可能だと名乗れるほどの飛行機がチャールストンから出ているのをまだ見たことがない」と語った(注:チャールストンはボーイング787型機の工場があるところで、バーネット氏が務めていたところです。)バーネット氏は「緊急時に酸素マスクの4枚に1枚が機能しない」ということだけでなく、このような告発を行っていました。

↓(ワシントン・ポスト紙より)https://www.washingtonpost.com/transportation/2024/03/12/boeing-whistleblower-dead-john-barnett/2019年のニューヨーク・タイムズの記事でバーネット氏はボーイング社の787ドリームライナー航空機を製造しているサウスカロライナ工場の品質問題を提起した数人の内部告発者の1人だったバーネット氏は飛行制御用の電気システムの近くに金属の削りくずの塊が残っているのを発見したと述べもし削りくずが配線に侵入すれば「壊滅的な」結果を招く可能性があると述べた。バーネット氏は上司に繰り返し懸念を訴えたが無視され工場の別の場所に異動になったと語った。記事によるとFAAは2017年に787型機から引き渡し前に削りくずを取り除くことを義務付ける指令を出したという。大手メディアの言う「自殺による傷が原因で死亡」というには状況から見てかなり怪しいですが当のボーイング社はバーネット氏死亡のニュースを受けて下のようなコメントを出しています。(コメントはアルジャジーラの記事より抜粋https://www.aljazeera.com/economy/2024/3/12/boeing-whistleblower-found-dead

バーネット氏が2017年に退職するまで30年以上勤務したボーイング社はバーネット氏の訃報を受けて哀悼の意を表した。「私たちはバーネット氏の死を悲しんでおり彼の家族や友人に思いを馳せています」とシアトルに本拠を置く航空機メーカーはアルジャジーラに声明で語った。「自殺」ではなく明らかに「殺人」が疑われる状況で亡くなったバーネット氏に対してボーイング社からのとても白々しいコメントですが巨大なシェアを占めるボーイング社の飛行機が少なくともバーネット氏が働いていた工場で作られたものには「安全で飛行可能なものが1つもない」というほどとてもずさんな品質で製造されているということを聞くと飛行機に乗ること自体が恐ろしくなります。何よりこの記事を読んで恐ろしくなってボーイング社製の飛行機への搭乗を避けたいと思っても乗客が「ボーイングじゃなくてエアバスがいい」とか機体の種類を選べるものではないということです

 このようにずさんな品質管理が分かっていて何よりもその工場で働いている従業員の多くが「これらの飛行機に乗りたくない」と言っておりボーイング社を訴えていた内部告発者は殺人を疑われるような状態で死亡したわけですから少なくとも日本の関係省庁である国土交通省は事実関係を調査する位のことはすべきではないでしょうか。