2024年4月16日 噴火を起こしたルアン山

 山体崩壊による津波への懸念

 インドネシアのルアン山という火山が4月16日に噴火を起こし山体崩壊による津波に対して当局が警告を発しています。インドネシアは日本同様に非常に多くの火山があり火山の噴火自体は珍しいものではないですが冒頭の写真のような噴火の様子の「迫力」に感銘を受けましてご紹介させていただく次第です。

 ルアン山の場所

インドネシアでは、2018年にも、アナク・クラカタウ火山の噴火の際に山体の一部が海に崩落したことによりスマトラ島とジャワ島の海岸沿いに津波が発生して430人が死亡したという出来事がありました。その時の映像も激しいものでした。

 

2018年12月に山体崩壊による津波を起こしたアナク・クラカタウ火山の噴火

今回も、この時のような津波の発生をおそれて周辺の島の住民たちを避難させたようです。世界中で地質が不安定になっています。日本でも四国沖で「微妙な場所での地震」がありました。こういう地質の不安定化が今後も進行するのかどうかの予測はできないですが、個人的にはある程度この不安定化は拡大すると思っています。ここから報道です。

 【インドネシアの火山噴火で津波の懸念が高まる】

Guardian 2024/04/17

 ルアン山は噴火を繰り返しており、当局は山体崩壊によって津波が発生する可能性を懸念しており数百人がその地域から避難している。北スラウェシ州で火山が数回噴火し煙柱が 1マイル(1.6km)以上上空に噴出したことを受け、インドネシア当局は津波警報を発令した。数百人が自宅からの避難を余儀なくされている。インドネシア火山庁によると、成層火山のルアン山は現地時間 4月16日の午後9時45分に最初に噴火し17日には 4回噴火した。当局は1871年にこの火山で起きたように、火山の山体の一部が海に崩落して津波を引き起こす可能性があることを懸念している。火山の北東にあるタグランダン島は再び危険にさらされており島の住民も避難を勧告されている。標高 725メートルの山頂を有するこの火山の警戒レベルは 17日夜、レベル3から4段階のシステムの最高レベルの4に引き上げられた。当局は17日夜、火口周囲 4キロの立ち入り禁止区域を 6キロに拡大した。死者や負傷者の報告はないが、800人以上がルアン島の 2つの村から州都マナドから 90マイル以上北に位置する近くのタグランダン島に避難したと国家機関アンタラが報告した。火山庁はタグランダン島の住民は 17日夕方までに半径 6キロ外に避難する必要があると述べた。インドネシアの国家防災庁は、住民たちをスラウェシ島の最寄りの都市マナドに移送すると発表した。マナドまでは、船で 6時間かかる。2018年インドネシアのアナク・クラカタウ火山の噴火により、山の一部が海に落ち、スマトラ島とジャワ島の海岸沿いに津波が発生し430人が死亡した。インドネシア火山庁のヘンドラ・グナワン長官は、声明で人々に対し「山体の海への崩落によって引き起こされる岩石の噴出、熱雲の放出、津波の可能性に警戒するように」と呼びかけた。地質庁長官のムハマド・ワフィド氏は声明で、16日夜のルアンの最初の噴火では灰の柱が 1.2マイル上空まで押し上げられ、2回目の噴火では灰の柱が 1.5マイルまで押し上げられたと述べた。火山庁は 16日ここ数週間に2回の地震が発生した後、ルアンで火山活動が活発化していると発表していた。広大な列島を持つインドネシアは、日本から東南アジアを経て太平洋盆地に広がる太平洋の環太平洋火山帯上に位置しているため頻繁に地震活動や火山活動が見られる。