4月16日のドバイ
12時間で1年分の雨が
現在砂漠の国々である中東の一部で激しい豪雨と洪水に見舞われていまして、アラブ首長国連邦のドバイでは「 12時間で 1年分の雨が降った」と報じられています。ドバイで大規模な洪水12時間で1年分の降雨。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで16日1年分に相当する降雨があり、大規模な洪水が発生した。道路が川と化し家屋などが浸水した。旅客数が世界で2番目に多いドバイ国際空港は同日、大雨により約30分間離発着を停止。駐機場が水没し映像には大型機が水の中を進む様子が映っている。同空港は運航ダイヤが大幅に乱れ、空港周辺の道路でも大規模な洪水が発生していると明らかにした。同空港では12時間で100ミリ近くの雨量が観測されたという。国連のデータに照らすとこの量はドバイの年間総雨量に相当する。ドバイの気候は国内の他都市と同様暑く乾燥している。降雨はまれでインフラは今回のような豪雨を想定した作りになっていないドバイの大雨はアラビア半島とオマーン湾を横断している大型の嵐によるもので、隣国オマーンとイラン南東部でも異常な降雨に見舞われている。オマーンでは鉄砲水で少なくとも17人が死亡した。
ここでは空港のことについてふれられていますが以下のように「滑走路が海のようになってしまった」状況が映されています。水上の飛行場となった4月16日のドバイ国際空港
確かに、アラブ首長国連邦とかオマーンなどそういう砂漠地帯で、このような豪雨や洪水が発生するのは「もともとは」稀なことでした。しかし、この数年このあたりの中東の地域でわりとたびたび豪雨や洪水が発生していたこともまた確かです。オマーンでは2018年に「 1日で 3年分の雨が降った」ことなどもありました。
2018年5月のオマーンの大洪水(これは川ではなく、山中の森林です)
これは以下の記事で取り上げています。・中東オマーンのこの世の終わり的な洪水を見て瞬間的に「黙示録が今始まった」と自覚するに私を至らせた今の世界の中で
2017年にもアラブ首長国連邦などで同様の事態が起きています。単に「自然の変化」とするにしてはどうも極端なことが、たまに起きていました。今日、米ゼロヘッジで「アラブ首長国連邦のクラウドシーディング・オペレーションがドバイに洪水に引き起こしたのか? 」
記事そのものは、動画やソーシャルネットの投稿を貼っているだけのものですが、「クラウドシーディング・オペレーションってなんだ?」と思いまして、調べてみますと、以下のようなものでした。英語では cloud seeding operation となりまして、「雲の種を蒔くオペレーション」という感じでしょうか。
【アラブ首長国連邦におけるクラウドシーディング】
アラブ首長国連邦(UAE)におけるクラウドシーディングは、国内の水問題に対処するために政府が採用している戦略だ。クラウドシーディングは人工降水や人工降雨とも呼ばれる。UAE はペルシャ湾岸地域でクラウドシーディングテクノロジーを最初に使用した国の 1つだ。UAE の科学者たちは極度に暑い気候に起因する同国の水不足を補うためにクラウドシーディング技術を利用している。彼らは気象レーダーを使用して国の大気を継続的に監視している。予報官や科学者たちは雲の播種操作により、澄んだ大気中で、降雨量が 30~ 35%増加しより湿った大気では最大 10~ 15%増加する可能性があると推定している。しかし長期的な地球規模への影響を予測するのは難しいためこの慣行は環境への影響に関する懸念を引き起こしている。
2010年に気象当局による人工雨を作り出すプロジェクトとしてクラウドシーディングが始まった。2010年 7月に開始され1,100 万ドルが費やされたこのプロジェクトは、ドバイとアブダビの砂漠に暴風雨を引き起こすことに成功した。2014年には合計 187回のクラウドシーディング・ミッションが UAE のシードクラウドに送信され、各航空機は 5~ 6個のクラウドをターゲットにするのに約 3時間を要し1 回あたり 3,000ドルの費用がかかった。2017 年に UAE は 214回のミッションを実施し2018年には 184 回のミッションを実施し2019年には 247回のミッションが打ち上げられた。アラブ首長国連邦って、10年以上前から「国家的な人工降雨プロジェクト」を実施していたんですね。
もちろんこの人工降雨プロジェクトが今回の、あるいは近年以前と比較すると並外れて増えている「砂漠の大洪水」現象と関係しているという証拠はないですが、ゼロヘッジは以下のように書いていました。
> 政府が母なる自然をいじって神を演じていることが予期せぬ結果をもたらしているのだろうか…。 もし人工降雨と異常な気象に何らかの関係があるのだとすれば、世界最大の人口降雨プロジェクトを進めている中国の影響も今後見られるのかもしれません。
2018年3月科学技術系メディアの報道より
この中国の施設が完成したのかどうかは定かではないですが、スペイン国土の3倍の広さの施設ですのでそう簡単には完成しないようにも思いますが、本格的に稼働を始めたら、何か影響もあるのかなとも思わないでもないです。日本は中国大陸からのジェット気流の影響を直接受けますので影響を受けないともいえない可能性もあります。いずれにしましてもアラブ首長国連邦やその周辺地域の今後の気象の状況は注視できるものかもしれません。