先週、医師専用サイトに掲載された東大病院外科教授のダヴィンチというロボット支援手術はまだ現役活躍中です。そのダヴィンチの会社が「その使用法は想定してないのでやめてください!」と言うような食道がんの新手術をこの先生は開発し、その成績がこれ↓。

この生存曲線グラフの赤線がこの先生が開発した新手術の治療成績です。もともと食道がんは死亡率の高い15、6年前にはステージ2以上は致死率100%でした。この生存曲線グラフの黒線が昔の治療法で、何年経っても曲線が生存率ゼロに向かって下がり続けてます。これは「昔の治療法では食道がんは後になってから必ず再発して死ぬ」ことを示しそれに対して↑この生存曲線のグラフの赤線は生存率60%まで下がったところでほぼ平坦になってます。これは「この先生の新治療法では食道がんは60%完治する」ことを示しています。完治率0%→完治率60%の衝撃的進歩です。この先生の編み出したダヴィンチの新手術だけではなく分子標的薬タイプの抗がん剤が使用できるようになったこともこの衝撃的進歩に寄与していますがそれにしてもものすごい進歩です。

 この先生は最終講義で「食道がんの完治率に最も大きく影響するのは、病気の進行具合という条件以外ではどの病院で治療するかが最も大事だった」と言いました。医者の能力がポンコツかキレキレかを規定する因子は以下の三つです。

 

・卒業大学の良し悪し

・医学生時代の学業成績の良し悪し

・研修医時代の研修内容の良し悪し

 これらの条件を一言で言うと「能力高い医者の条件は、高校の勉強、大学の勉強、研修医時代の勉強をしっかりやった医者でありそれ以外にはない」ということです。あとは看護師さんと仲良くなる事です。看護師さんは医者のやることを全部自分の目で見ているから自分の働いている医療機関でどの医者が良くてどの医者が悪いか、たいてい全部知っている。女性の看護師さんは、同業者のネットワークがかなり広いから、自分の勤務先でない医者や医療機関の評判なんかも結構知っている。ある医者は必ず女性の看護師さんにどの医者がいいか、情報を聞いてからかかるようにしている。と言っている