パーソナリティ障害は、アメリカ精神医学会が出版している精神疾患の診断・統計マニュアル「DSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 第5版)」に基づいて診断されます。「自己愛性パーソナリティ障害」は、ありのままの自分を愛することができず、自分自身を誇大な存在だと思い込み、注目や共感を求める障害です。成人期早期までに始まるといわれています(※1)職場や友人関係など身近に自己愛性パーソナリティ障害の人がいる場合、どのように対応すれば良いのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか中には、嫌なことを言われたり、ひどい場合にはモラルハラスメントや陰湿ないじめを受けたりしている方もいるかもしれません。自己愛性パーソナリティ障害の特徴と、嫌なことをしてくる自己愛性パーソナリティ障害の人の追い込み方について解説します。まず、自己愛性パーソナリティ障害の人を追い込むデメリットやリスクについて解説します。自己愛性パーソナリティ障害の人を追い込むと、逆上されたり、さらに攻撃的な態度をとられたりする危険性があります。自尊心が低く、ゆがんだ自己愛を持つ自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人を尊重せず平気で傷つけるわりに自分が尊重されなかったり、傷つけられたりするのは耐えられないからです。反撃してきたり怒り狂ったりすることもあるでしょう。また自己愛性パーソナリティ障害の人は自分の行動によって信用を失ったり、人が離れていったりしても、その状況を素直に認めようとしないことも多いです。それどころか、追い込まれれば追い込まれるほど、さらに嘘を重ね、責任から逃れようとすることも。自尊心が傷つくことを恐れるがゆえに、自分の過ちを認め、謝罪をすることができないのです。そのため、より面倒な状況に巻き込まれたり、議論が泥沼化したりすることもあります(※3)自己愛性パーソナリティ障害の人を追い込むことにはリスクを伴うのです。とはいえ「今の状況を改善したい」「自己愛性パーソナリティ障害の人をギャフンといわせたい」という方もいるのではないでしょうか?リスクがあることを前提として、自己愛性パーソナリティ障害の人を追い込む方法について解説します。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方①:無視をする

自己愛性パーソナリティ障害の男性から話しかけられて無視する女性

まずは、一番良いとされる方法からご紹介しますそれは「無視をする」「関わり断つ」ということです。自己愛性パーソナリティ障害の人と深く関わると日常的にストレスがたまったり、トラブルに発展したりすることも多いといわれています。そのため、防衛策としても関わらないことが一番だといえます。また完全に関わりを断つことが難しい場合は距離をおきましょう。そして嘘をつかれたり自慢をされたりしたとしても、まともに話を聞かず、うまく流すのが良いでしょう。「相手にしない」というマインドが大切です。急に無視をしたり冷たくしたりすると逆上される危険性があるため、徐々に距離をおくようにしましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方②:地位が高い人を味方につける

地位が高い男性

自己愛性パーソナリティ障害の人に立ち向かうときは自分の意見に賛同してくれる人に同席してもらうことをおすすめします。1人で立ち向かうとその後ハラスメントやいじめを受けることになる可能性もあり、大変危険だからです。可能であれば自己愛性パーソナリティ障害の人よりも明らかに地位の高い人に味方になってもらうのが良いでしょう。自己愛性パーソナリティ障害の人は「自分が特別かつ独特であり、最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている(※2)という特徴を持っており、偉い人や有名人など社会的な地位が高い人には腰が低いこともあるためです。自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴を逆手にとって、立ち向かうのが良いでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方③:大勢で立ち向かう

大勢

地位の高い人を味方につけるのが難しい場合は、できるだけ大勢で立ち向かいましょう。「あなたの言動で、嫌な思いをしている人がこんなにいるんだ」ということを、人数で伝えるのが良いといえます。組織の中で孤立していることを知ってもらうという効果もあるためです。自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の身を守るために、平気で他人を利用したり、嘘をついたりします。場合によっては、相手が不利になるような悪いうわさを言いふらすこともあります。そのような状況をつくられないよう、先に周りを固めておくことが大切です。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方④:少しずつ指摘する

少しずつ指摘する男性

自己愛性パーソナリティ障害の人に、日常的に嫌なことを言われたり、されたりすることもあるかと思います。そんなときには、腹が立って言い返したくなる気持ちを抑えて、冷静に少しずつ指摘しましょう。一気に否定したり、感情的になって怒ったりするとトラブルに発展する危険性が高いです。そのため直してほしいところをそれとなく伝えたりこまめに伝えたりすることが大切です。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方⑤:記録をする

自己愛性パーソナリティの人から追い込まれて記録している女性

自己愛性パーソナリティの人は、自分の立場を守ったり、自分をよく見せたりするために平気で嘘に嘘を重ねる傾向があります。そのため発言に一貫性がないことが多いです。実際に「過去に言っていたことと、さっき言っていたことが全く違う」という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?そんなときは、自己愛性パーソナリティ障害の人の言動を記録しておくことをおすすめします。あからさまに録音をするとトラブルになる可能性があるため、メモする程度にしておきましょう(※4)。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方⑥:決定的な証拠を集める

決定的な証拠

パワハラやモラハラ、陰湿ないじめ、嫌がらせ行為がある場合は、記録を残すだけでなく、第三者に証人になってもらえるように働きかけておきましょう。例えば裁判になったときにも提出できるような、決定的な証拠を集めておくことが重要です(※5)自己愛性パーソナリティ障害の人は話術には長けています。追い込まれたと感じたときには、嘘をついたり、他人を利用したりして、自分の立場を守り抜こうとするでしょう。それに負けないような証拠を集めておきましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方⑦:あわれみの目を向ける

あわれみの目を向ける女性

自己愛性パーソナリティ障害の人は、プライドが高く傷つきやすい面も持ち合わせています。そのため、あわれみの目を向けられたり、同情されたりすることを嫌うでしょう。例えば嫌なことを言われたときに「そんなことしか言えなくて、かわいそう」とあわれむと効果があるかもしれませんしかしこれも場合によっては逆上され仕返しをされる危険性が高いため覚悟が必要です(※5)リスクを伴うことを前提に言うことをおすすめします。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方⑧:相手よりも知識をつける

相手以上の知識をつけておく

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の方が上だと思い込んでいます。そのため職場などで一緒に働いたり、友人関係であったりする場合、「自分のほうが〇〇できる」「自分のほうがよく知っている」といったマウントをとることも多いでしょう。そんなときのために、自己愛性パーソナリティ障害の人よりも、その分野に詳しくなったり、知識をつけたりすることをおすすめします。あからさまに上から目線で言い返すと逆上される可能性があるため、冷静に同調しながら知識を見せていくと、マウントをとらなくなるかもしれません。

自己愛性パーソナリティ障害の追い込み方⑨:弱みを知っていることをほのめかす

弱みを知っていることをほのめかす

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自尊心の低さやゆがんだ自己愛から、自分を誇大な存在だと思い込んでいます。そのため、嘘をついたり、見栄を張ったりして、自分を大きく見せようとします。そして「自分はすごいんだ」ということをアピールし注目を浴びようとするのです。自分を偽ってまで大きく見せようとするということは、裏を返せば、自分に自信がなく、コンプレックスもたくさんあるということです。そんな自己愛性パーソナリティ障害の人は「実際は注目を浴びるほどの魅力がない人」と見透かされてしまうことを恐れているでしょう。そのため「私はあなたの弱点やコンプレックスを知っている」ということをうまくほのめかすことで、逆に自己愛性パーソナリティ障害の人が警戒して、近づいてこなくなる可能性があります(※7)

まとめ

自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴と追い込み方について解説しました。追い込むときにはリスクを伴うため留意した上で活用してみてください。また本当に苦しいときやつらいとき、困ったときは周囲の人や専門家に相談しましょう。1人で抱え込まないことが大事です。

私的には早く周りから孤立して、誰にも援助して貰えず勝手に自滅して○○○してくれると助かる。