なぜ、おならが出過ぎるのか?普通はどれくらい?
おならが出過ぎる原因は、お腹にガスがたまっているもしくは便秘・下痢などが考えられます。お腹のガスの原因としては、食事のときに空気を一緒に飲み込んでいる場合や、腸内細菌が異常に発酵する場合などが挙げられます。便秘は食事による不摂生だけでなく、ストレスや運動不足でも起こります。
漢方が考える体質タイプでは、気虚タイプや気滞タイプの人に多いと考えます。気虚タイプの方は、エネルギー不足により腸を動かす力が弱くなってしまうため、便を押し出す力が不足してしまう場合もあります。
気滞タイプの方は、気のめぐりが悪くなると腸の動きが悪くなり便秘になりやすいと考えます。一般的に1日のおならの回数は5~6回といわれることがありますが、これはあくまでも平均でありその人の食事や体質などによって回数は異なります。
おならが出過ぎる原因とは
食事のときに一緒に飲み込んでいる空気は、げっぷとして口から出ない限りおならとして外に排出されます。おならが出過ぎる原因は、便秘やストレス、胃腸の不調など。
漢方の考えによるおならが出過ぎる原因は、「気血水(きけつすい)」で考えると次のようなものがあります。
・気虚:エネルギー不足により胃腸の機能が弱っている
カラダ全体の気の働きが弱っているため、便を外に出す力が弱くなっています。便は硬くない・疲れやすい・息切れがするなどの症状があります。気虚タイプの場合、下痢になることもあります。
・気滞:ストレスにより腸の気の流れが悪くなっている
ストレスや緊張などにより、気のめぐりが滞ることによりお腹にガスがたまります。お腹の張り・食欲不振・げっぷなどの症状があります。気滞タイプはお腹にガスがたまりやすく、おならとしてガスをだすと楽になります。
・陰虚:疲労・寝不足・加齢などにより腸内が乾燥している
カラダに必要な津液(血以外の水液)が不足している状態です。腸が乾燥するため便秘を起こします。盗汗(寝ているときに汗をかく)・ほてり・コロコロの便などの症状があります。
・血虚:血が不足することにより腸内が乾燥している
カラダ全体の血(栄養)が不足している状態です。血液の循環が悪くなり腸が乾燥するため便秘を起こします。めまい・顔色が白い・肌が乾燥するなどの症状があります。
「気血水(きけつすい)」については、次のリンクを参考にしてください。
漢方の基礎知識3「気血水とは」
おならが止まらないのはなぜ?
おならがなかなか止まらないという方は、胃腸に負担がかかっている可能性があります。おならが出過ぎる原因は大きくわけて5つが考えられます。
・カラダを温める力が弱っている
気(エネルギー)が不足している気虚タイプの方に多い症状です。お腹が冷えているため消化吸収の力も弱くなっています。
・カラダが冷えている
冬などの気温の低い季節や、夏のクーラー、冷たい食べ物の摂取などによりカラダが冷えます。胃腸の動きが悪くなるため、お腹にガスがたまりやすくなります。
・食べ過ぎている
漢方では食べ過ぎて胃腸に食物が滞ることを食滞(しょくたい)といいます。暴飲暴食など一度に飲食物をたくさんとると、脾(消化器全般)に負担をかけます。胃の消化吸収の働きが衰えるため、お腹にガスがたまりやすくなります。
・カラダに熱がこもっている
脂っこいものや刺激物、アルコールなどを摂り続けると、カラダに湿気と熱がこもりやすくなります。湿気や熱は胃の働きを悪くさせるため、お腹にガスがたまりやすくなります。熱がこもるタイプは、腸内発酵によりガスがたまりやすくなります。
・運動不足
普段からあまり運動をしない方は、気滞になりやすく胃腸の働きも弱くなってしまいます。運動不足により、気の流れが悪くなっているため、腸の動きも悪くなりガスも溜まりやすくなります。
お腹の張りを改善するツボの紹介
おへその横にある「天枢(てんすう)」
お腹の張りを改善させるためには、便秘やお腹の張りなど胃腸の状態を改善させるツボが効果的です。おへその位置から右と左の指3本分外側にあります。
指で押して気持ちいいくらいの強さで5秒ほど押します。便秘やお腹の膨満感には即効性がある場合もあります。胃腸の働きを活発にさせ、消化不良や食べ過ぎ飲み過ぎ、胃もたれなどに効果が期待できます。