②心理的問題

 20代の頃の飲酒はアルコールそのものではなく、友人関係・店の雰囲気楽しさ、盛り上がりのような飲酒で、心理的にも仕事の励みやリラックス・疲れの癒しへと、良い効果の影響の方が多かったと思う。

 30代からの飲酒は、大人との付き合い・商工会議所・青年会議所・PTA・地区の会議など自分より先輩との付き合いの機会が多く、楽しく飲むというより抑えて大量の飲酒をするという、ストレスのたまる飲酒傾向にあった。

 その後事業を継承してからは、いっとき事業が上向きの時にはほら開店祝いだ売上アツプだと毎晩それは楽しく派手に酔いしれていた。束の間・・事業が不審になり始めると毎月の資金繰り、月末の給与、在庫調整など毎日がお金に振り回される苦悩の連続。とにかく飲んでその日その日をしのいでいくしかない心理的に追い込まれた飲酒が続いた。なんともならない現実的なことも、飲酒によってなんとかなるという安心感や自信がわいてさらに深酒・連続飲酒へと追い込まれた。離脱症状も悪化してさらに身体的にも心理的にも追いつめられた苦悩のアルコールとの戦いだった。心理的にはやめたい・やめなければいけないと苦悩したが、もう体と脳が許してくれない依存状態におちいっていたのだろう。

 事業が倒産してサラリーマンになってからは、資金繰りや経営的な心理的苦難に飲酒はなくなったが、初めて経験するサラリーマン人生でのストレスが心理的飲酒になってしまった。

 最終章では心理的問題より、圧倒的に身体的問題が深刻だった。本心でやめたいと決意しても、もう体が許してくれなかった。

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