錦鯉春助の冒険 -11ページ目

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 MLB最後の三冠王は2012年のミゲル・カブレラである。


 ダルビッシュがテキサス・レンジャーズに入団してカブレラと対戦した時が忘れられない。


 ダルビッシュは高校野球から日ハムに入団して、インコース高めの速球を一度も打たれた経験がなかった


 相手チームがダルビッシュ先発と分かるとやる気をなくした。ダルビッシュもそんな日本野球にイヤ気がさしていた。


 カブレラはダルビッシュが投げたまだ打たれた事のない速球を腰の回転だけでレフトスタンドへ打ち込んだ。


 ダルビッシュは度肝を拔かれた。同時に狂喜乱舞した。メジャーにはこんな打者がいる。俺も投手として努力したい。


 次の三冠王に最も近いのはヤンキースのアーロン・ジャッジだろう。1番打者の大谷は不利だ。打点が稼げない。


 僕は大谷翔平を唯一無二と本当に尊敬しているのはアーロン・ジャッジだと思う。英雄は英雄を知る。


 二刀流は非生産的だし、二刀流は不合理だし、二刀流は非論理的だし、二刀流は非近代的だ。


 だから近代野球は投手と打者に二分化したのだ。バレーボールが9人制から6人制に変わりローテーションで動くようになったように。


 あれだけ打者としての能力を持つジャッジだが最初から投手の事など考えた事がなかった。野球は二分化されたスポーツだと信じて疑わなかった。

 

 だが大谷翔平は最初から二分化を無視し二刀流という非常識に躊躇なく挑んだ。ジャッジに取ってつはある種の妬みがあったのだろう。



 50本のホームランを打ち160キロの速球を投げる大谷翔平がジャッジには脅威に映るのたろう。