コーヒー牛乳 | 錦鯉春助の冒険

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日常の恐ろしき風景

 僕の小学生時代は昭和のど真ん中だ。当然社会全体が貧しい。


 家にクーラも風呂もない。便所は汲み取りで夏にはアンモニア臭で頭がクラクラした。それが普通だったから何とも思わなかった。


 チャールズ・ダーヴィンは進化論で述べた。強い種が生き残るのではない。環境に順応した種が生き残るのだ。


 町内には必ず銭湯があった。好みの銭湯のため隣町まで行く人もいた


 小学生の僕は祖父に手を引かれ銭湯に行く。だから銭湯の入り方を教えてくれたのは祖父だ。


 湯舟に入る前は必ず掛け湯して身体を綺麗にする。湯舟に浸かると決してタオルは使わない。ルールをやぶると知らないオジサンに怒られた


 当初は入墨のオジサン達がいたが誰も怖がらず驚かなかった


 江戸時代はヤクザが居なければ社会は廻らなかった。だが近代国家に向かうと厄介事は切り捨てる。理不尽は排除する。


 これは環境問題!に似ている。もし日本の河川の全てが透明な清流に変わったら河川の生命体の半分は死滅するだろう。清濁合わせて世界は成り立つ。


 小学3年生の僕の楽しは風呂あがりのコーヒー牛乳だった。当時の小学生とコーヒーはまったく無縁だ。

バタークリームのケーキさえ食べた事がなかった。


 正月にお年玉を貰うと駄菓子屋に直行した。マーブルチョコレート、パラソルチョコレート、森永ミルクキャラメル。僕達にお年玉を貯金する余裕はない。少年少女達には欲しい物が世の中には満ち溢れていた。


 またディズニーランドもユニバーサルスタジオもなかったが町内の広っ場には必ず秘密基地や砦があった


 アメリカ映画の名作スティヴン・キング原作の【スタンド・バイ・ミー】を見るたびに自分の少年時代を思い出す。


 風呂あがりのコーヒー牛乳は大人の味がした。


 中学生になると家に内風呂が出来たので銭湯の話しはこれで終わる


 しかし内風呂、ラブホの風呂、混浴と風呂に関するエロは尽きない。


 追々書くつもりだ(笑)