明日がくるとは限らない | 錦鯉春助の冒険

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 ブログで書くのを避けて来たのは地震の話題だ。


 大阪だから29年前の阪神淡路大震災は経験した。幸い親戚・友人・知人に死者も怪我人も出なかった。


 阪急〔六甲道〕近くの友人宅は全壊したが奇跡的に全員が助かった。恐らく親子3人が2階に寝てたからだろう。


 本来は一階に彼等の両親が寝てたはずだが所用で大阪の親戚の家に泊まった。


 大きな震災が発生すると、人の命はほんの僅かな運・不運に左右される。


 当時はガラケーを持ってる人も少なかった。また持ってても地震後直ぐに不通になり公衆電話に長蛇の列ができた。


 テレビで倒れた阪神高速や長田区の倒壊したビルを観るのは辛かった


 それは自分が車を運転した高速であり、よく知った長田区だったからだ。


 だから地震の話しは書けなかったしテレビの報道も鬱陶しい。毎日毎日津波や火事や倒壊家屋を見せるのはある意味の暴力だ。


 なぜ地震の事に始めて触れるかと云うと今回の能登半島地震で腹に据えかねる事があったからだ。


 BSフジのプライムニュースを観た時だ。東京のフジテレビと日本テレビは自民党大好きだが、僕は構わないと思う。


 新聞社やテレビ局が中立公正である必要はない。


 この時のゲストが宮城県知事と自民党の片山さつきだ。


 宮城県知事はこんにちの地震防災や初動活動は東日本大震災の教訓からと自慢ばかりしていた(笑)


 しかし日本が近代都市として被災した最初の大地震はやはり神戸だ。


 ボランティアやトリアージの言葉が一般化したのも神戸からだ。しかし宮城県知事がそう思うならかまわない。


 司会の反町は

「ライフラインは破壊されてるのに能登の高齢者は何故1次や2次避難しないのでしょうか?強制避難させないと前に進まないでしょうが」


 オートマチックに人を選別するのは安倍総理・自民党・フジの司会者の共通点だ。


 確かに過去には雲仙の普賢岳や熱海の土石流で住民達は強制立退きさせられた。しかしそれは瞬時を争う人命の危機だからだ。


 それに高齢者だからコミュニティに縛られるのではない。個人として離れられぬ事情がある。


 例えば牛を飼ってる人は牛を捨て退避出来るか?


 隣の一人暮らしのおばあちゃんを置いて退避出来るか?


 飼ってる犬や猫を避難所に入れてくれるのか?


 毎朝緊急車両にガソリンを入れるためスタンドを開けてる女性もいる


 町内を空巣から守るため残った住民もいる。


 自分の身体ひとつを移動させるから避難とは云えない。自分の身体に付属する状況も一緒でこそ真の避難である。


 それに何が気に食わないかと云えば片山さつきだ。彼女は昔から自分の頭の良さを自慢ばかりした。


 歳を取るに連れ自慢話が陰湿になる。片山さつきは番組の最初から最後まで自慢話に終始した。


 輪島や珠洲に駆けつけた話し。政府として何をやるべきか。話しを聞けば聞くほど虚しい。


 政治家は現地へ行くなとは云わない。だが餅屋は餅屋に任せ政治家は被災地を大所から考えて欲しい。


 地震後の緊急事は水道、電気、ガス、道路の復旧。偽情報や空巣に対する治安だろう。


 関東大震災の折は朝鮮人が井戸に毒を流したと噂が流れ朝鮮人が虐殺された。


 災害の真の怖さは二次災害なのだ


 僕は阪神淡路大震災の第一撃を忘れられない。背中が敷布団から浮いたからね。


 直ぐ隣りに寝てた小さい息子を抱き上げてリビングのテーブルの下に寝かした。


 妻は腰が抜けたのか布団の上にぼんやり座っていたから力ずくで引き起こした。


 当時は関西には大きな地震は来ないと云われていたから枕の後ろには洋箪笥や和箪笥が列んでいた。


 神戸ではそれが寝てた人の顔や頭の上に倒れ大阪では倒れなかっただけだ。