頭から酒をあびたいような気分。


もうどうにでもなれと思いながら、
終電で新宿へ行った。



あの街をふらふら歩いていると、
怪しい男に声をかけられた。



『ねぇ、どこ行くの?一杯だけつきあってよ。』


…。



あたしは黙って前に飲んだあの店に入った。



『あー!久し振り!元気だった?ていうかあけおめ!』


ママが覚えていてくれたのがうれしかった。


いけめんのお兄さん、
この前もいた公認会計士のおじさんもいた。



しばらく話していると、

『ねぇ、うちでバイトしてみない?』



あたしはちょっとホストクラブで遊んでいただけで、
歌舞伎町が大好きだった。


キャバでもなく歌舞伎町の繁華街でもない。

この特殊な街で水商売をすることに興味があった。


こうしてあたしは歌舞伎町で働くことになった。


その後、Kの店へ飲みに行った。


卓についてすぐKは言った。



『オレ、昼の仕事するためにもうすぐホスト辞めるから。』