女という生き物は強いもので、あたしは数日後には嘘のようにけろりとしていた。
Kのことは好きだけど、ホストじゃない彼をあたしは知らない。
知ることは一生絶対にない。
Kがホストだったから、出逢えて、好きになれた。
彼がホストをやめるのと一緒に、あたしもホスト遊びをやめよう。
ラスト当日は雨だった。
深夜営業が常だったホストクラブも、
規制が厳しくなり、歌舞伎町全体が日の出営業になっていた。
始発で新宿に向かう。
駅から黒いタクシーに乗り、
風林会館で待たせていたKの傘に入った。
店は満卓だった。
ほとんどがKの客らしい。
『みんな、卓埋めるために呼ばれたんだなぁ』と、
自分もその1人の癖にぼんやり思う。
白いスーツを着た主役のKは、
卓をあちこちまわってほとんどつかなかった。
エスコートしてくれた来夢くんと少し話したあと、
翔をセカンド指名した。
あたしはどんなホストも、
気に入らなければ自分から隣に座らせない。
翔が卓についた途端に隣に座らせ、飲み始めた。
完璧な容姿もさることながら、
空気をよんで操るのが本当に巧かった。
Kが卓につかないのに、
話も楽しくて最高だった。
あたしは財布に数十万円を入れてきた。
普段は極細客だが、
担当のラストに何か卸すつもりで来た。
『ねぇ、あたし今日シャンパン入れるから。Kと相談したいから呼んで!』
Kのことは好きだけど、ホストじゃない彼をあたしは知らない。
知ることは一生絶対にない。
Kがホストだったから、出逢えて、好きになれた。
彼がホストをやめるのと一緒に、あたしもホスト遊びをやめよう。
ラスト当日は雨だった。
深夜営業が常だったホストクラブも、
規制が厳しくなり、歌舞伎町全体が日の出営業になっていた。
始発で新宿に向かう。
駅から黒いタクシーに乗り、
風林会館で待たせていたKの傘に入った。
店は満卓だった。
ほとんどがKの客らしい。
『みんな、卓埋めるために呼ばれたんだなぁ』と、
自分もその1人の癖にぼんやり思う。
白いスーツを着た主役のKは、
卓をあちこちまわってほとんどつかなかった。
エスコートしてくれた来夢くんと少し話したあと、
翔をセカンド指名した。
あたしはどんなホストも、
気に入らなければ自分から隣に座らせない。
翔が卓についた途端に隣に座らせ、飲み始めた。
完璧な容姿もさることながら、
空気をよんで操るのが本当に巧かった。
Kが卓につかないのに、
話も楽しくて最高だった。
あたしは財布に数十万円を入れてきた。
普段は極細客だが、
担当のラストに何か卸すつもりで来た。
『ねぇ、あたし今日シャンパン入れるから。Kと相談したいから呼んで!』