**フィクションかノンフィクションかはご想像にお任せします**



まるで野良猫みたいに深夜に家を出る。


新宿で降りると迷わず東口から繁華街に向かい、
区役所通りから1本外れた花園神社に近いある通りに入る。


いつもここに来ると胃が痛む。



1950年代。

青線営業という俗称を持つこの街は、都内有数の売春街だった。



あれから半世紀以上経った現在。

この街に健全といえる人間は果たして何人いるだろう?



あたしはその中の1軒の店に入った。