http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090519ddlk13040358000c.html

 昨年度から「緑のカーテン」や「冷暖房の部分使用」などエコ対策に取り組み始めた「くにたち郷土文化館」(国立市谷保、平林正夫館長)で、前年度に比べ電気使用量で35%、使用料金で12%もの減少に成功したことが分かった。平林館長は「この工夫を一般家庭でも利用し、地球温暖化防止に役立ててもらいたい」と話している。

 文化館は94年に開館。建築家の石井和紘さんが設計を手がけた。北側に広がる安養寺の林など自然と一体化したデザインが特徴。しかし、幅5メートル、高さ10メートル、長さ35メートルの3面がガラス張りのエントランスは開閉できず、夏になるとガラス面が50度を超える熱さになっていた。

 昨年4月に就任した平林館長は、07年度の電気使用量が計31万3000キロワット時、約676万円にのぼったことにがくぜんとし、エコ対策を始めた。これまで、サービスと考えていた来館者が少ない平日や雨天の午前中の全体照明、それに全館の冷暖房を見直した。部分照明や100個以上あるスポットライトを、人の動きをセンサーで感知すると点滅するものに交換した。また、職員に衣服調整で夏冬の温度管理をさせたり、荷物運搬以外のエレベーター利用もやめようと呼び掛けた。冷暖房の温度も夏は28度、冬は23度に設定。廊下や階段は外気と同じ温度とし、温度調整のためガラス張りの屋根面によしずを張り側面にはヘチマやヒョウタンのツルをはわせた。

 これらの対策の結果、電気使用量が08年度は計20万466キロワット時、約596万円にまで減った。【斉藤三奈子】

〔多摩版〕