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◇総ケヤキ、高さ15メートル
 成田山新勝寺で参拝客を迎え入れるメーンの入り口となる「総門」の建立作業が行われている。08年に開基1070年を迎える同寺の記念事業として、新たに総門を設けることになった。今年11月の落慶に向け、宮大工が黙々と作業を続けている。【柳澤一男】
 総門は高さ約15メートル、幅約14メートル、奥行き約6メートルで総工費約16億円。安土桃山時代から江戸時代初期の建築様式を基調とし、5本の柱と3カ所のくぐり戸がある「五間三戸楼門」と呼ばれる様式で作られている。
 風雨の影響を受けないようにと、周囲をプレハブで囲んで作業が進んでいる。04年3月にはじまり、作業人員は1日平均40~50人。製材作りなど、人手が必要な際は100人を超えることも。総ケヤキ造りの新築は、この道52年の棟梁(とうりょう)、向山慧さん(70)でも「なかなか経験できない」と話す。
 材料のケヤキは関東地方で伐採されたもので、数1000本に及ぶ。屋根中央部に使用されているものは樹齢200年以上という巨木。水分が含まれたままだと反りやすく、割れやひびが入るおそれがあるため、約3年樹皮がついたまま寝かせたものを使うという。
 型板から棟梁が一本ずつに線を引き、それをくりぬく方法で木材ができあがる。一本木からくりぬいて作られた全16体の獅子頭も迫力がある。
 ◇棟梁「目に焼きつく立派さに」
 現在は大部分が組み上がり、屋根の銅板や石畳張りなどを残すだけとなった。匠(たくみ)の業が結集された巨門を控え、向山さんも「これまでの仕事の集大成。参拝者の目に焼き付くような立派な門に仕上げたい」と話している。

5月16日朝刊