http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070516-00000111-mailo-l12


◇宮内庁コピーと合わせ80点--「技術力の高さ感じて」
 明治新政府が造営した明治宮殿(皇居)の設計図の原図などを公開する展示会が、16日から松戸市文化ホールで開かれる。同市の日本建築学会会員、鈴木里行さん(57)が個人で収集した資料の一部と、宮内庁が提供した設計図のコピーなど計約80点を展示する。半数が国内初公開という。
 明治宮殿は1884(明治17)年に着工、4年半後に完成した。1945年の戦災で、皇室の祭事を行う賢所(かしこどころ)などを除いて、建物群のほとんどが焼失した。
 鈴木さんは、宮殿建築の最高責任者だった立川(たてかわ)流宮大工の子孫で、立川流の調査の中で、設計図を偶然入手した。民間の収集例は他にはないのではないかという。
 展示品のうち特に貴重なのは、賢所の100分の1の平面図の原図。縦44センチ、横32センチで、8枚の和紙で一つづりになっている。表紙に「賢所地之間百分一之図 明治十八年八月調改正」と書かれ、「原図」の朱印が押してある。静岡市の古書店で、10年ほど前に入手したという。
 また、賢所の正面図のコピーを宮内庁が初めて提供、平面図と比較することもできる。このほか、御車寄(みくるまよせ)の正面図や女官部屋の平面図の原図などもある。
 鈴木さんは「設計図から造営技術者の技術力の高さと息遣いが感じられる。一般には公開されないものなので、多くの人にぜひ見てほしい」と話している。
 展示は宮内庁協力。20日まで。入場無料。【長谷川力】