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京都市は、母屋や茶室の老朽化が進む無鄰菴(むりんあん)(左京区南禅寺草川町)の整備を始める。庭園が国の「名勝」に指定され、年間4万人が訪れる観光スポットにもなっているが、造営から100年以上を経過し、建物の雨漏りも出始めている。今夏に母屋や茶室の屋根などを応急修理し、本年度中に庭園を含め再整備計画をまとめる。
無鄰菴(敷地約3200平方メートル)は、1894年から96年にかけて造営された元老山県有朋の別荘で、大半を占める池泉廻遊式の庭園は、明治を代表する造園家小川治兵衛が手掛けた。戦前の1941年に京都市に寄付され、51年には庭園が「名勝」に指定された。
庭園内には、木造2階建ての母屋のほか、茶室やレンガ造り2階建ての洋館もあるが、建築から100年以上経過するなか老朽化が著しい。市は母屋や茶室を一般に貸し出しているが、雨漏りも年々ひどくなり、改修が必要となった。本年度予算に、整備計画費として1200万円を計上した。雨漏りを抑えるため母屋と茶室の屋根修理を早急に行うほか、各施設の老朽度調査を進める。庭園には枯れてしまう樹木もあり、中長期的な再整備計画をつくり、次年度以降から順次整備していく。
市文化芸術企画課は「庭園、施設は文化財的な価値も高く、句会などにも活用されている。早急に改修を進めていきたい」としている。
老朽化から京都市が再整備する無鄰菴(京都市左京区南禅寺草川町)