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ヴォーリズ建築第1号で約20年間閉鎖されていた滋賀県近江八幡市為心町中の旧YMCA会館が、建築100年を機に改修され、高齢者の介護予防を行う「アンドリュース記念館」としてオープンする。7日に開館式を行う。
 米国出身のウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)が、キリスト教を伝道する施設「アンドリュース記念近江八幡基督教青年会館(YMCA会館)」として1907(明治40)年に建てた。ヴォーリズはその後、建築家として歩み始め、近江八幡を拠点に、1500以上の建物を設計し、日本の近代建築史上に大きな足跡を残した。
 同会館は、米国でヴォーリズの教えを受け、若くして亡くなった学生ハーバート・アンドリュースの遺族からの寄付を元に建てられた。ヴォーリズ自身も、県立商業学校(現八幡商業高)の英語教師で得た2年間の給与をためた貯金のほぼ全額を拠出した。
 1987年まで使われていたが、新しい施設が建設されたため閉鎖された。一昨年2月のヴォーリズ来日100周年を機に、ヴォーリズが創設した財団法人近江兄弟社が、同会館の再生を決定。昨年7月から改修工事をしていた。
 外観はそのままに内外装を整え、段差をなくしてバリアフリー化した。館内では65歳以上の高齢者を対象にした体力維持教室を開設するほか、高齢者のサークルにも開放する予定。
 同法人の大島武久副理事長(66)は「これから増加する高齢者の福祉に活用することは、ヴォーリズの社会奉仕の精神に合致する。創立者の精神をこの場所で継承していきたい」と話している。



介護予防施設に改修されたアンドリュース記念館(近江八幡市為心町中)