http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070404-00000010-kyt-l25


滋賀県近江八幡市新町2丁目の市立資料館が、米国出身の建築家W・M・ヴォーリズが携わったヴォーリズ建築だったことが、大阪芸術大の山形政昭教授(建築史)の調査で分かった。
 市立資料館は1886年に八幡警察署として建設され、1953年に大幅に改築された。その後、1974年に市立資料館として開館するまで、近江八幡警察署として使われた。
 独特の様式から、1905年に近江八幡に赴任したヴォーリズの建築ではないかと言われてきたが、はっきりとは分かっていなかった。
 ヴォーリズが創設したヴォーリズ建築事務所(大阪市)が所蔵している図面を調査していた山形教授が、近江八幡警察署の当時の呼び名「国警蒲生西地区署」と書かれた図面20枚を発見した。同事務所が改修を請け負ったことが明らかになった。
 図面によると、2階に集会室が新設されたほか、東側だけだった煙突を西側にも取り付け、左右対称に変更した。ドアノブにクリスタルガラスを用いるなど、随所に意匠を凝らしたヴォーリズ建築の特徴が見られる。
 山形教授は「戦後の建築資材入手が困難な時代にモダンで合理的に、しかも瓦ぶきで町並みに調和するよう造られており貴重だ」と話している。