http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000018-nnp-soci


文部科学省が29日発表した公立学校の耐震改修調査(昨年12月末時点)によると、耐震性に不安がある小中学校の施設(1981年以前の建築)で補強の前提となる耐震診断の実施率は、長崎県が全国で最も低かったほか、福岡県内の11町村・学校組合が全く診断をしていないなど、九州北部の取り組みの遅れが目立った。長崎県教委などは「地震に対する市町村の理解が進んでいない」として、危機管理意識を高めるよう促し、実施を働きかける考えだ。

 長崎県教委によると、同県では「平成の大合併」で79市町村が23市町に再編され、合併直後に学校施設の新築や改修など大きな事業を控えることを申し合わせたケースが多かった。もともと地震への危機感が低いこともあり、多くの市町が耐震診断を見送る結果を招いたという。担当課は「(合併も一段落したので)個別に市町に出向き、必要性を理解してもらう」と話している。

 福岡県大任町では、町内の小中学校の耐震診断すら手付かずのまま。同町教委は「小規模自治体の限られた予算の中で診断費を出すことは難しい」と財政負担の重さがハードルとなっていることを強調。これに対し、福岡県教委は「会議などを通じて診断の実施をお願いしていく」とするが、財政支援までは手が回らないのが実情だ。