http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000008-nnp-soci

全国の公立小中学校の校舎など13万867棟のうち、大地震に対する耐震性がない建物は30、2%の3万9531棟に上ることが29日、文部科学省の調査(昨年12月末時点)で分かった。1981年に施行された現行の耐震基準を満たしているのは7万4335棟で、耐震化率は56、8%にとどまり、長崎県は36、6%で全国ワースト2位。自治体の財政難を背景に、耐震改修が進んでいない実態が浮き彫りになった。

 都道府県で耐震化率が最も高かったのは神奈川の88、2%で、最低は香川の35、4%。九州・山口で全国平均を上回ったのは宮崎、大分の2県だけ。その宮崎県も61、5%にとどまっている。

 一方、文科省は2003年から、改修の前提となる耐震診断の早期実施を各自治体に呼びかけ、耐震改修促進法改正に伴い、遅くとも06年12月末までに診断を終えるよう求めていた。

 しかし、81年以前の建築で耐震性に不安がある8万2505棟のうち、診断が完了したのは6万5504棟で、実施率は79、4%止まり。都道府県別でみると、最高は香川の99、6%。最低は長崎の32、7%、佐賀は33、3%とそれに次いで低く、05年3月に福岡沖地震で大きな被害が出た福岡県も71、8%と徹底はされておらず、九州北部の取り組みの鈍さが際立っている。

 財政難などを理由に全く診断をせず、今年3月末までに診断を行う予定もない市町村・学校組合は全国で91。福岡は11町村・学校組合に上り、北海道(51市町村)に続く多さだった。

 文科省は「簡易な耐震診断なら1棟当たり数十万円で可能。遺憾な結果だ。首長らの防災意識が低いと言わざるを得ない」と話している。

=2007/03/30付 西日本新聞朝刊=