http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000011-nna-int
ソウル市は29日までに都市・建築共同委員会を開き、韓国鉄道公社が提出していた「竜山国際業務地区(鉄道整備場敷地)開発案」を審議し、同地区に最高620メートル(150階建て)の超高層ビルを建設することを承認した。同ビルは2013年の完成予定。高さは世界で3番目となり、韓国を代表するランドマークとなる。同地区は漢江の北岸に位置する同市竜山区内の44万2,575平方メートルで、現在は車両整備所や首都圏鉄道管理団の建物などが入っている。
鉄道公社は、ここに大型の多目的複合ビルや公共施設、娯楽スポットを整備するなど大々的な再開発のプランを立て、市の許可を求めていた。
高層ビルの建設を許可したことについて、市の関係者は「周辺の景観などに与える影響も少なく、国際業務都市という性格も考慮した」と話す。
ただし、同委は鉄道公社が提案した610%の容積率を580%に制限したほか、商業地域を大幅に増やすなど用途の変更を求めた。さらに周辺の交通環境に与える影響などを考慮し、計画の約40%を開発地域から除外した。
■高さ国内一、世界3位に
再開発計画の目玉である620メートルのビルが完成した場合、現在国内最高層の「タワーパレス」(ソウル江南区道谷洞、261メートル)より高くなる。建設が計画されている「仁川タワー」(仁川市松島、610メートル)や「第2ロッテワールド」(ソウル松坡区蚕室、555メートル)も上回る。
世界でも現在のところ最も高い台湾の「台北101ビル」(508メートル)を上回る。だが、来年はアラブ首長国連邦のドバイに830メートルのビルが、2010年にロシア・モスクワに649メートルのビルがそれぞれ完成する予定で完成時は世界3位となる。
■着工へ課題も山積
150階の高層ビル建設を実現させるための課題は多い。開発案を出した鉄道公社が容積率と開発地域を限定した市の諮問結果を不服とし、「当初見込んだ開発効果を期待できない」と市側と条件の緩和について交渉する意向を示した。
また10兆ウォンを超えるとみられる事業費の確保も容易ではない。ソウル市の関係者は「いくつかの大企業がコンソーシアムを組む方式になるだろう」と話す。完成後にオフィスの供給過剰も懸念されており、不動産対策も必要とされている。