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◇硫酸流出、通行止め、亀裂、段差…
 富山県内でも重傷1人、軽傷12人を出すなど被害をもたらした能登半島地震で、県は26日にも危機管理連絡会議を県庁内で開催。県内の新たな被害状況や石川県への応援状況などが報告された。【青山郁子】
 富山市婦中町の日産化学工業富山工場では、濃硝酸製造プラントのガラス製設備が一部破損。硫酸約50リットルが漏れ出したが、すべて施設内の防液堤にたまり回収された。人的被害などはない。高岡市能町の中越パルプ工業能町工場でも、地震で停止していた工場設備の再開作業中、機械操作を誤り、でんぷん溶液(のり)約3立方メートルが赤堀川に流出。工場がポンプ車などで回収したが、県などは水質検査などを実施し環境への影響を調べている。
 富山市寺津地区の民家では、裏にある石積みの土止め壁(高さ約3メートル)の上部に長さ約6メートルの亀裂が入り、一世帯3人が近くの公民館に一時自主避難した。さらに県道朝日宇奈月線が、黒部市宇奈月地区で落石のため通行止め。同富山立山公園線も、立山町芦峅寺地区で片側通行となっている。
 文化財関係では、高岡市の国宝瑞龍寺のしっくい壁に約30センチの亀裂ができた。氷見市の氷見、女良漁港の物揚げ場では、100~150メートルにわたり10~15センチの段差が発生。漁業に影響はないと見られているが、26日に水産庁が現場検証を行った。
 一方、消防庁からの出動要請を受けて25日、県内の13消防本部から127人が出動。26日は105人が午前中に石川県輪島市内で活動を実施し、午後解散した。石川県から下水道技術者1人の応援要請もあり、県から派遣。建物の危険度を調査する被災建築物応急危険度判定士12人も27日に派遣する。氷見市からも同判定士5人の要請があり、26日中に派遣した。
 ほかに日本水道協会県支部から給水車6台、日赤県支部から医師や看護師ら6人を派遣し、毛布1200枚を発送した。
 石井隆一知事は「迅速に対応してもらえ、ありがたい。隣接の石川県をできるだけ応援したい。今後も万全の対策を」と指示した。