http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000004-kyt-l26


京表具師の若手グループが、海外市場開拓を目指して28日に渡米する。米国内に埋もれた掛け軸やびょうぶなどの修復事業の販路獲得を目指すとともに、現地の茶室修復作業を公開し、「ほんまもんの京の技を世界に伝えたい」と意気込んでいる。
 グループは京都表具協同組合の青年会メンバー6人で構成する「京表具GAIN(ゲイン)」(井上利彦代表)。6人は日本建築の減少で低迷する京表具の復権を目指し、これまで小学校や大学での体験学習講座開設や技術勉強会などを実施。しかし、大量生産の安価なふすまなどが普及したことで活躍の場は減り続けており、海外流出した日本美術品の修復に着目した。
 米国には明治時代以降に持ち込まれた掛け軸やびょうぶなどが多数あるが、修復技術を持つ人が少ないため、保存状態が悪いまま放置されるケースも多いという。しかし茶道や禅など日本文化への興味が高まっていることから「修復へのニーズはある」と見込み、渡米後は美術品業者などに「京表具」の技術を訴え、仕事獲得を目指す。また、京表具の繊細な仕事を見せるため、ニューヨークにある裏千家茶室の障子と腰張りの張替え作業を公開する。井上代表らは「将来的に修復のための現地事務所を構えることができれば」と話している