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東京都など13都道県知事選が22日、告示された。世界的建築家の黒川紀章氏(72)は、船によるパフォーマンスを見せた。4月8日の投開票まで、17日間の戦いの火ぶたが切って落とされた。
黒川氏の異色の選挙戦が幕を開けた。都庁で第一声を行い、昼時には予告どおり所有するクルーザー「モナ・リザ」号に乗り込んだ。「アメリカまで行ける。スピードも時速77キロくらい出る高速船」を自ら操り、勝鬨(かちどき)橋から言問(こととい)橋まで隅田川を疾走した。
川べりでランチを楽しむサラリーマンやOLから手を振られたという黒川氏。「手を振った人は108人くらい。手を振らない人がいないということは、浮動票がうちにくるかもしれない」と自信をみせた。今後も神田川、荒川、多摩川などを走る予定。「とにかく徹底的に選挙を川からやって、ところどころで陸に上がる」という。
サプライズな激励もあった。22日発売の雑誌「婦人公論」(4月7日号)で「選挙は手伝いません」と宣言している妻の若尾文子さんがかけつけたのだ。「数寄屋橋の演説会場に来てくれ『頑張ってね』と握手した。話したのは2、3分くらい。『足をねんざしているので注意してね』と言ってくれました」
この日は「23歳の時に一人で運河埋め立てへの反対運動を行った」という数寄屋橋や、原宿、浅草、母校である東大、早大など6か所で演説を展開。名前を連呼するのではなく、それぞれの場所で自分にまつわるエピソードを交えながら、政策を訴えた。たすきもなし たすきをかけることなく、有権者に自ら握手しに行くこともなかった。選挙カーにもクルーザーにも「黒川」の文字はない独自の戦い方だ。「私がただ一人の素人(候補)。まずは(調子の悪かった)マイクをビックカメラに買いに行って、ひとつずつ変えていきます」。黒川氏の戦いは始まったばかりだ。