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京都伝統工芸専門学校の卒業生らでつくるNPO法人(特定非営利活動法人)「京都匠(たくみ)塾」のメンバーらがこのほど、京都府南丹市園部町本町の町家を工房として生かす取り組みを始めた。旧山陰道に面し、創作の様子が市民の目に触れやすい絶好の場だけに、早くも新たな町の顔として話題を呼び、メンバーらは「今後、作品の販売などを通して伝統文化を発信する拠点に」と張り切っている。
 工房を立ち上げたのは匠塾の高橋博樹代表(35)をはじめ、木工、竹工芸、仏像彫刻、漆工芸などの若手職人6人。
 「伝統技術を学んだ園部を拠点に活動したい」との思いや、神戸大で建築学を学んだ高橋さんが以前から町家へのあこがれを抱いていたことから、旧市街地で場所を探していたところ、町家の家主の自営業山下憲一さん(45)側が趣旨に賛同、物置として使っていた場所を提供することにした。
 町家は屋根瓦に「寛永4年」(1627年)と記した銘があったことから、江戸時代の建築とみられ、伝統工芸の作品を生み出すには雰囲気もぴったり。このほど簡単な改装や道具類の搬入などを済ませ、近所の人も畳やタンスを寄贈するなど支援の輪が広がった。
 高橋さんらメンバーは「実際の創作現場を道行く市民らに見てもらい、伝統工芸への関心を寄せてもらえば。若者や観光客が集まる場所にもなって欲しい」とし、今後は制作や販売に加え、古道具の修理なども手掛けたい、と意欲的だ。