すっかり深い眠りに入った彼。
携帯電話にはもちろんロックがかけてある。
彼はいつも指紋認識で解除していた。
彼と付き合って半年以上が経つ。
私は30歳までに結婚がしたい。
その為にも時間は無駄にはできないのだ。
1年付き合ってダメなら別れる。
20台後半にもなれば時間はより貴重。
‥もしこれ彼が誠実でないと分かれば
時間を無駄にしなくて良かったと思おう。
罪悪感はあったものの
それ以上の覚悟を持って
彼の携帯電話に手を伸ばした。
寝ている彼の携帯電話を持って
彼の指に近付ける。
もし今彼が起きたらどうしよう‥
心臓がドキドキして‥手が震え‥指が震え‥
なかなか上手く認識されない。
何回やっても強く押し付ける事が出来ない。
もうやめよう。と思った時に解除。
全部見る勇気はなかった。
まずスケジュールを確認。
‥○日 加奈 ご飯(残5日)
‥○○日 美咲 ご飯(最後)
‥○○日 香織 ご飯(契約)
今月のスケジュールで
確認できただけで3人の女性の名前。
寒くないのに全身が震えた。
奥歯を噛み締めてもガタガタ震える。
「なに?」
「なんなの??」
続けてラインを確認してみる。
消しているのか名前を変えているのか
やましいやり取りは見つからなかった。
メールボックスにも見つからない。
が、ゴミ箱のところに消し忘れたであろう
メールが残っていた。