実録:脳震盪 | 「急がば回れで一回転」

実録:脳震盪




こんにちは。

どうも、わたしです。
クリス・ペプラーです。



「春ですね」「春ですね」「では」「では」


これだけで会話が成り立つような陽気が続いていますね。


サンサンと注ぐ日射しと同じように、花粉もシンシンと降り注ぐ毎日ですが、僕も多分に漏れず"花粉症のはしくれ"を名乗らせていただいております。


"花粉症免許皆伝"の称号をお持ちの皆様にはツライ日々が続いてることと、はしくれながらも同情させて頂いております。



そんななか。



花粉症はしくれの僕は


クシャミをすると頭が痛いという現象に悩まされています。


いや、現象もなにも原因はハッキリしていて















脳震盪(のうしんとう)です







昨日(4/16)の10時ちょい前に受傷をしたそうなのですが
















その瞬間の記憶が全くない






知っている人は知っている、ミウラのボイラーみたいな情報ですが、僕ってサッカーやってるじゃないですか。






そんなサッカーの試合中、ハイボールを競りに行ったところ

















後ろからヘッドバットを喰らったらしい





「見ててね、ヤバイな~って思ったんですよ」「ピクリとも動かなかった」「一度は立ったんだけど、フラついてまた倒れたのでマズイと思ったね」「あれは悪意を感じましたよ」「とりあえず貸した金返せ」


様々な目撃談が飛び交っているために、記憶のない僕にはどの情報が真実なのかは判断できませんが、ひとつ確かなことは--
















脳震盪はヤバイ
(あとハイボールはクリアした)









何がヤバイってとりあえず脳神経科の先生が



白人女性。

名はオルテラって時点で、






「国境すらも超越してるのよウチらはね」



と、脳震盪とオルテラのドヤ顔が浮かんでくるしオルテラは割とキレイだし。



脳神経科のある2Fから、CTスキャンを撮るためにB1Fへ移動するのに車椅子に乗るのとかもヤバイ。




「大げさな。歩けるやい」


とか思ってたけど今考えると、めっちゃ助かった。

なにしろ、立ってる状況だと目眩がして座り込みたくなるし、それ以前に頭が割れるような痛みは断続的に続いていましたからね。


吐き気にも襲われました。待合中に病院のトイレで2回吐きました。


車椅子をサッカー部の女子トレーナーに操ってもらっていたのですが、堪え難い吐き気に襲われるたびに、


「といれ…」


と、か細い声で言いました。


幸い、僕の声質と彼女の体型は到底かけ離れているものだったので、「嘔吐うぃる」と言ったような告白も彼女にはなんのためらいもなく行うことができました。ありがとう。





余談ですが、オルテラもちょっとキレイな感じじゃなくて、若干劣ったところがあれば患者さんも変なプライドを見せずに全力でオルテラに甘えられるのになと思いました。

実際、車椅子使いますか?って訊かれたとき一瞬断るか迷いましたからね。



「危機的な状況の中でも自らに鞭打つ強い男アピール」


をしようかと思いました。が、脳という司令塔が負傷している状況では首を縦に振らざるを得ませんでした。



これがオルテラのような白人女医ではなく、柴田理恵のような土手臭いオバチャン女医ならば何の迷いもなく、車椅子を使えたのでしょうね。プライドって邪魔だよね、ベジータ。余談おわり。





CTスキャンとX線を撮影し、体内の放射線量を絶賛増量した後にまた長い長い待ち時間に突入。


車椅子でうたた寝をするという一生に一度の体験をしました。



オルテラに呼ばれて診察室へ。


「具合悪いなか、長い間待たせてしまってごめんなさいね。CTスキャンとX線の画像診断の結果、異常は見当たらなかったわ。とりあえずはおめでとうと言ったところかしら。だけど、まだ油断はできないわよ。これから20時間は安静にして、一人にならないように。誰か一緒にいてくれる人はいる?--そう。頭部外傷後の注意事項を書いた紙を渡しておくわ。なにかあればいつでも相談してください。なにか質問は?それでは、お大事に。」





来日何年目だと無駄な考えを巡らせるほどに流暢な日本語をオルテラは操ります。








フロントで7,050円という保険証バンザイの会計を終え、処方箋を手にタクシーへ。




車窓から見える枝垂れ桜に目を奪われてシャッターを押しました。


photo:01



こんな余裕があったんですね。生きているって素晴らしい。



病院のあの雰囲気、良くないと思いますよ。自動ドアの外に出た瞬間の解放感が異常でしたからね。


「俺らってさほら…具合悪いじゃん?」



みたいな無言の共通意識にやられたみたいなところもありますよね。やっぱり環境って大事だなあ。




帰宅後は貪るように眠りました。


左側頭部と右顎という東京とリオデジャネイロのような位置関係にある傷んだ箇所をかばいながらたっぷり9時間は眠りました。



起きてiPhoneを見ると、接触したと思しき選手からのメールを受信していました。Aとしておきましょう。



A『試合中とはいえ、ごめんなさい』

僕「大丈夫だよ!ただの脳震盪だから!」

A『よかったぜ!じゃあまた明日!』

僕「また!」







今朝は朝食を食べた後に吐きました。Aには会えてません。





大丈夫だから!心配しないで大丈夫だから!脳震盪の"盪"の字を書けるようにしてくれてありがとう!






「ただの脳震盪」の破壊力を思い知りまたひとつ大人になった一日でしたとさ。


*Qurith*