九六式十五糎榴弾砲(きゅうじゅうろくしきじゅうごせんちりゅうだんほう) | 沖縄の裏探検

九六式十五糎榴弾砲(きゅうじゅうろくしきじゅうごせんちりゅうだんほう)



西原(にしはら)町の西原町中央公民館の裏に旧日本軍が使用した大砲が展示されています。


建物の裏に回るとコンクリートの台座に乗せられた九六式十五糎榴弾砲が見えてきます。


かなり錆びてあちらこちらが朽ちていますが全体的な姿は概ね良好に残っています。


後ろから見た様子。


錆び付いた姿に時間の経過を感じます。


車輪はゴムの様な物を巻いたような作りになっていました。反対側の車輪は下部が無くなっています。


これが実際に使用されていたんだと思うと何だか不思議な気もしてきます。


大砲の前には展示されている経緯が書かれている石碑があります。下にある文は字数から琉歌かと思われます。
この大砲が国内で展示されているのは、靖国神社と西原町中央公民館の2門のみが現存しているそうです。

九六式十五糎榴弾砲は最大射程約12000mで1937年に実戦投入された兵器です。
フィリピン、ソロモンと主力の大砲として使われて、沖縄にも1945年に配置されました。
本島南部の糸満(いとまん)市国吉(くによし)でサイモン・B・バックナー中将を戦死させたのは九六式十五糎榴弾砲での攻撃ともされています。
終戦までに378門が生産されたという事です。

展示されている大砲は2004年に幸地(こうち)という集落にある陣地壕跡から発見されました。
当初は西原図書館に展示されていましたが今の場所に移されました。
沖縄では戦跡が風化や開発等で徐々に失われてきているのが現状です。また、戦争を体験した年輩者も年を追うことに減っていきます。
なので実際に使用されていた兵器がこのようにして展示されているのは貴重だと思います。