知念大屋(ちにんうふや)の神屋(かみや)
南城(なんじょう)市の知念(ちねん)集落に知念グスクの知念按司(ちにんあじ)を祀った大屋と呼ばれる拝所があります。
大屋のある場所は久美山(くびやま)と呼ばれた場所で集落の中心地となった所です。クバの木が多かった為に『クバ山』と呼ばれていたのが久美山になったのだそうです。
知念グスクは久美山を上に登った場所にあります。
位牌が置かれてる家屋風の建物を神屋と呼びます。神屋は敷地の右側にあるのが多いですが、知念大屋の神屋は敷地の左側にあります。
これは東向けに建てている事に理由がありそうです。
神棚の左側には火神(ひぬかん)があります。火神も大抵は一番左側に置かれます。
所変わって、南城市から北に30キロ以上遠く離れた沖縄市の与儀(よぎ)集落の高台にイーヌモーと呼ばれる広場があります。
イーヌモーの一角に遥拝所がありますが、与儀集落ではこの拝所を知念大屋と呼んでいます。ここは玉城(たまぐすく)のミントンや御穂田(みふーだ)の遥拝所でもありますが、本来は二つあるべき拝所が一つしかありません。
公民館でも聞いてみましたが、遥拝所が一つしかない事や何故こんな遠くの場所が知念に向かって遥拝するのかは誰も分からないとの事でした。
しかし南部方面を順拝するアガリウマーイ(東廻り)は今も行っているそうです。